お知らせ+活動記録+たわごと

HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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  • 2011.03.03: 世界の材料科学者トップ100にランクイン
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    Google 翻訳 + スプレッドシートによるサバイバル英作文
    英語論文の執筆に四苦八苦している人々が随喜の涙を流して喜ぶ(かもしれない)翻訳テクニックをここに公開する。もともとは理工系大学院生を対象とする英語教育の一環として昨年執筆した Evernote のノートである。京大、名大、名工大、大阪府立大における英語論文執筆に関する講義・セミナーで紹介した。

    1. 和文英訳方式による論文執筆の妥当性


    本ノートでは、和文英訳による論文執筆について述べる。英文を直接スイスイ書ける優秀な人は以下を読んでも意味がないことをあらかじめお断りしておく。

    英語論文を書く際には、英文を直接書き下すことが望ましい。和文の影響を受けず、執筆が大幅に速まる上、英語を話すスキルが向上するからである。筆者は終始一貫そうしてきた。

    一方、英語アレルギーの日本人にとって、完成度が高く論理的に筋が通っている和文をまず書いてから、それを英訳する方が難易度が低いのは事実である。ところが、そうは問屋が卸さない。英語弱者は語彙が貧弱で、辞書の活用を怠りがちで、英文法に詳しくないと相場が決まっている。研究者として生きるか死ぬかの瀬戸際に丸腰で戦っても勝ち目はなく、為す術もなく撤退するか、下手をすれば致命傷を負いかねない。PC やネットを利用する飛び道具を駆使すべき理由はそこにある。

    2. 研究者として生き残るための武装


    英作文能力の不足を補う強力な武器さえ入手すれば、論文として発表するに値する成果を得た研究者が論文執筆でつまずくという最悪の事態は回避できる。ネット接続した PC 上で手軽に使えるソフトウェア
    はそういう武力装備に他ならない。

    Google スプレッドシートは英作文に尻込みする人の背中を押す翻訳用ツールとしてすこぶる役立つ。電動アシスト自転車のような感じという人もいる。電子辞典も欠かせない。英語が苦手で語彙が貧弱な人が辞書をまめに引かなかったら、自殺行為の誹りを免れないいことを肝に銘じるべきである。「新英和・和英中辞典」は熟成の進んだ由緒正しい辞書であり、信頼性が高い。さらに、205 万もの英和見出し数を誇り、多数の理工系専門用語を収録しており、Windows 上で手軽に検索できる PDIC-R/Unicode を使わない手はない。辞書に consult(「引く」の英訳)するのを厭わなければ、自ずと実力が身についていくだろう。

    3. Google の翻訳エンジンについて


    Google 翻訳のエンジンは 2016 年 11 月に Phrase-Based Machine Translation (PBMT) システムから Google Neural Machine Translation (GNMT) システムへと移行した。GNMT では多層ニューラルネットワークによる深層学習が採用され、文章をパーツごとではなく自然な文の流れとして解析・翻訳するようにした結果、翻訳精度が大幅に改善された。今のところ GNMT システムは完璧と言い難いが、今後、翻訳精度は着実に向上していくだろう。

    英訳文は電子辞書も動員しつつ自分でブラッシュアップできるし、翻訳前の和文に手を入れることにより英訳結果を改善するという手もある。英作文が得意な人にとっても、語彙が豊富になるというメリットがある。おまけに長大な文章でも短時間で英文に変換してくれることから、一種の安心感と達成感を味わえる。英語が苦手な人にとっては、英文を直接書くのに比べとっつきやすいのは間違いない。

    4. Google スプレッドシートの利点と魅力


    Google スプレッドシートには Microsoft Excel が持ち合わせていない三つの強みがある:
    1. Gooogle Apps Script (GAS) のメソッド translate による翻訳。
    2. ネットを通じたスプレッドシートの共有、リアルタイム共同編集 (最大 50 人まで)、チャット。
    3. ネット接続した PC さえあれば無料で使える。
    GAS は translate というメソッド一つからなる翻訳用クラス LanguageApp を備えている。上記の GNMT システムが translate メソッドに導入されていることは意外と知られていない。下記の ★ メニューを利用した翻訳でも GNMT システムが使われる。ワークシート関数 translate のコードをスクリプトエディタで保存し、ワークシートのセルで使えるようにする手続きについては、「Google Spreadsheet の googletranslate 関数の代わりに LanguageApp を使うワークシート関数を作ってイケてる翻訳ができるようにする」を参照せよ.

    Google スプレッドシートではセル内に収めた文を translate で翻訳でき、セル間の対応が単純明快で混乱しにくい。もちろん表計算ソフトの機能も利用できるので、原文と翻訳結果の枠しか備えていない Google 翻訳を利便性と柔軟性で凌駕している。その上 Google スプレッドシートでは、教師と生徒が (互いに遠く離れていても) 同一のスプレッドシートをリアルタイム編集でき、チャットも可能である。さらに、ボタンをクリックするだけでファイルを添付したメールの送付作業へと移れるため、ネットを徹底活用した論文執筆教育に適している。

    なお Google スプレッドシートに標準装備されている関数 googletranslate は前世代の PBMT システムに基づいており、賞味期限切れといって過言でない。Web で発信されている情報ではたいてい googletranslate を使用していることに注意せよ。

    5. 新たなスプレッドシートの作成

    1. 「Google スプレッドシート」の Web サイトにアクセスする。
    2. [Google スプレッドシートを使う] をクリックする。
    3. 必要なら Gmail のアドレスとパスワードを入力した後、[次へ] をクリックする。
    4. 「新しいスプレッドシートを作成」 で 「空白」 をクリックし、新たなスプレッドシートを開く。
    5. 「ツール > スクリプトエディタ」を選ぶと、新たなタブが生成してスクリプトエディタに入る。「コード.gs」の右側の ▼ をクリックし、Translation.gs に改名する。
    6. ★ メニュー(7節参照)と function translate を使えるようにするための Google Apps Script のスクリプファイル Translation.gs に下記のソースコードをコピー&ペーストした後、「ファイル > 保存」(ツールバーにボタンあり)を選んで保存する。以後、現スプレッドシート(ワークシート)で translate 関数と ★ メニューが併用できる。
    7. スプレッドシートのタブをクリックしてスプレッドシートに戻る。
    8. 「ファイル > スプレッドシートの設定」で「言語と地域:日本」と「タイムゾーン:東京」を選ぶ。
    9. 「表示形式」 メニューで 「フォント サイズ 」 を 12 とし、「配置」 で 「左」 と 「上」 をチェックし、「テキストの折り返し」で「折り返す」 をチェックする。
    Translation.gs のソースコードは以下の通り:

    function ja2en() {
    translation('ja', 'en');
    }

    function en2ja() {
    translation('en', 'ja');
    }

    function translation(from, to) {
    var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet();
    var range = sheet.getActiveRange();
    for (var i=0; i var val = range.getValues()[i][0];
    var en = LanguageApp.translate(val, from, to);
    var dst = sheet.getRange(range.getRow()+i, range.getColumn()+1);
    dst.setValue(en);
    }
    }

    function onOpen() {
    var menuitems = [
    {name:'日本語→英語', functionName:'ja2en'},
    {name:'英語→日本語', functionName:'en2ja'}
    ];
    var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
    sheet.addMenu('★', menuitems);
    }

    function translate(originalValue, translateFrom, translateTo) {
    return LanguageApp.translate(originalValue, translateFrom, translateTo);
    }

    6. translate 関数による英訳の手続き


    ★ メニューを使う翻訳(次節参照)の方が明らかに効率的だが、まず translate 関数による翻訳について述べておく。

    注意: macOS を使っている場合、 以後の記述中の「Ctrl」を「⌘」に代えて読むこと。
    1. 任意のブラウザーで Google スプレッドシートの Web ページを開く。
    2. 「ファイル > インポート > アップロード」 を選んだ後、 [パソコンからファイルを選択] をクリックして翻訳作業用ひな形ファイル *.xlsx をアップロードする。
    3. A1 を 「オリジナル和文」、B1 を「修正和文」、C1 を 「英文」、D1 を「修正英文」とする。
    4. 必要ならA, B, C, … をクリックして 「挿入 > メモ」 を選び、各列に関するメモを入力する。たとえば C1 には "=translate(B2,"ja",”en”)” とメモする。
    5. A 列の A2 以降の各セルに適度な長さの文章をコピー&ペーストする。 OS、ブラウザ、環境によって選べるフォントが異なる。MS P ゴシック、メイリオ、ヒラギノ角ゴ Pro (Mac) などの視認性の高い日本語フォントを使うことを推奨する。Ctrl-A を押して全セルを選択し、すべて同じフォント、サイズ、配置、テキストの折り返しにすると、単純でよい。
    6. A2 以降のセルすべてを選択し、Ctrl-C を押してクリップボードに保存する。前後関係が訳文に影響しそうな箇所では、複数の文 (最長で一段落) をまとめてコピー&ペーストする方が高品質の英訳を与えることもある。
    7. B2 を選択して Ctrl-V を押すと、B列がすべて埋まる。B列の和文は適切に英訳されるよう文脈や単語を修正するのに使う。
    8. "=translate(B2,"ja","en")" を C2 にコピー&ペーストすると C2 に英訳が現れる。
    9. C2 が選択された状態のまま Ctrl -C を押すと、B列を英訳して対応するC列に格納する命令がクリップボードに入る。
    10. Shift キーを押しながら C 列の最後のセルをクリックし、Ctrl-V を押す。
    11. C列の各セルをクリックすると、fx の右側に当該セルの翻訳関数が表示される。
    12. Cをクリックし、ツールバー中の 「垂直方向の配置」 をクリックして「上」を選び、さらに「テキストを折り返す」 をクリックしてから「折り返す」を選ぶと、英文が上に移動し、折り返される。
    13. 左端の行番号同士の境界線をマウスドラッグすることにより、適当な幅の空白を行間に入れて見やすくする。
    14. 翻訳結果を参考にしながら Google 先生が理解しやすいようにB列の各セルを書き直した後 を押すと自動的に再英訳され、C列の隣接セルが更新される。
    15. C 列を選択して Ctrl-C を押してからD列を選択し、Ctrl+shift-V(「編集 > 特殊貼り付け > 値のみ貼り付け」のショートカット)を押してC列の内容をD列にコピーする**。
    16. 「ファイル > 名前を変更」で名前を変更してから、「ファイル > 形式を指定してダウンロード」で PC や iCloud に保存できる。
    17. 必要なら、C2 以降の全セルを選択してから Ctrl-C を押し、テキストデータをクリップボードに入れた後、テキストエディターまたは Microsoft Word の新規文書にペーストする。
    18. 最上部の左端の [スプレッドシート ホーム] (緑のアイコン) をクリックして編集を終え、スプレッドシート一覧に戻る。
    * 英文和訳には "=translate(和訳したいセル,"en","ja")" という形式の関数を使う。

    ** macOS で ⌘+shift-V を押すか Parallels Desktop + Windows 10 で Ctrl+shift-V を押してクリップボードの内容をペーストする場合、クリップボード・ユーティリティー Clipy で相当するショートカットを設定しないよう注意せよ。

    7. ★ メニューを使う翻訳


    ★ メニューの追加:
    https://www.infoscoop.org/blogjp/2014/09/16/google-apps-script-translate/

    ★ メニューを利用できるようにするには、Google Apps Script の初回実行時に承認を得なければならない:
    https://www.virment.com/step-allow-google-apps-script

    具体的な操作は次の通り:
    1. 「★ > 日本語→英語」を選ぶと「承認が必要」というダイアログが現れる。
    2. [続行] をクリックする。
    3. 「アカウントの選択」というダイアログで「自分の名前+ Gmail アドレス」をクリックする。
    4. 「このアプリは確認されていません」というダイアログで、「詳細」(左下)をクリックする。
    5. 「translation(安全ではないページ)に移動」(最下部)をクリックする。"translation" は "testProject" など別な文字列の場合がある。
    6. [許可] をクリックする。
    スプレッドシートを開いてからメニューバーに ★ が現れるまでには多少時間がかかることに留意せよ。

    特定のセルを選択する。複数のセルを選択するには、始点のセルをクリックしてから、shift キーを押しながら終点のセルをクリックする。メニューバーの ★ をクリックしてから「日本語→英語」または「英語→日本語」を選ぶと、選択部分の右に訳文が現れる。訳文は単なる文字データなので、Ctrl+shift-V でなく Ctrl-V でペーストできるというメリットがある。

    8. 翻訳結果の改善


    Cをクリックし、Ctrl-C を押す。Dをクリックしてから 「編集 > 特殊貼り付け > 値のみ貼り付け」 を選ぶか、Ctrl+shift-V を押す。こうすれば、列に割り当てられた関数がコピーされずに済む。D列の例文は自力でブラッシュアップする。修正過程では電子辞典が強力な援軍となる。

    書籍由来の新英和・和英中辞典は一般的な目的に使えるが、名詞が countable(可算)か uncountable(不可算)かを調べるのにとりわけ役立つ。

    英辞郎検索アプリケーション PDIC-R/Unicode は貧弱な語彙と低い英作文能力を補ってくれ、添削結果の質的向上をもたらす。Ctrl-Cで単語をコピーするだけでただちに検索できるクイック・ポップアップ検索やクリップボード検索はとくに威力を発揮するだろう。「Search > 全文検索」を選ぶか、[F2] を押して利用する全文検索はきわめて強力で、AND/OR 検索も可能となっている。

    英訳に供する日本語の文章を書く際には、今のところ熟成度が高くない翻訳エンジンの身になって、あらかじめ最適化しておくのも重要である。たとえば次のようなノウハウが役立つだろう。
    1. 長文になればなるほど翻訳精度が落ちるので、できるだけ各文を短文にするのが望ましい。
    2. 複文(述語が二つ以上存在する文)や重文(短文を二つ以上並列させた文)はできるだけ避ける。
    3. 余計な副詞や修飾語は避け、平易、簡潔、かつ論理的な文章にする。
    4. 主語、述語、目的語が入っている明確な文章を書くよう努める。
    5. 漢字を使える部分は積極的に使う。
    6. 別な意味に誤解されかねない曖昧な表現は避ける。
    7. 英訳と和訳を繰り返すと、英文と和文の完成度が低い部分がわかり、結果として英文の質が向上する可能性がある。
    8. 可算名詞と不可算名詞をしばしば取り違えるので、疑問を感じたら新英和中辞典を引くことを推奨する。
    9. 英訳の冒頭が However (Nevertheless), Therefore (Accordingly, Hence), On the other hand, Further (In addition) となり過ぎる傾向がある。目に余る場合は、Though (Although), Because, Since, While, Whereas, also, too などで書き直すとよい。
    短文化(1) の例::名詞がいくつか並んでいる場合、便宜上一つだけにすると適切に訳せる可能性が増す。生成した英文に削除した名詞を追加するのは容易である。

    9. Lutwig の活用


    せっかくネットに接続した状態で Google スプレッドシートを利用しているのだから、オンライン英文検索サービス Lutwig の活用も推奨したい。
    Lutwig の Web サイト: https://ludwig.guru/
    Evernote の公開ノート (Ludwig): https://bit.ly/2UQB0fY

    Lutwig は他力本願の翻訳サービスではない。Lutwig 中の "Search here..." という枠に各セルの文章をコピー&ペーストして、類似した文脈を含む 15 個(登録済みの場合)の英文を検索し、それらを参考にして自分の英文をブラッシュアップする。高品位の例文を手軽に参照できるため、効果てきめんである。

    10. ファイル関係の操作


    普通は「自分がオーナー」を選んで表示させる。左から三つ目のボタンでリスト表示とギャラリー表示をボタンで切り替えられる。リスト表示で各ファイルの右端にある点三つのボタンをクリックすると、「名前を変更」と「削除」を選べる。

    右端の「ファイル選択ツールで開く」で「アップロード」をクリックし、「パソコンからファイルを選択」をクリックすれば、PC 上のファイルを読み込める。

    「ファイル > 形式を指定してのダウンロード > Microsoft Excel」 を選ぶと、ブラウザーのダウンロード先に指定したフォルダーに Excel 互換のファイル hoge.xlsx が保存される。「ファイル > メールに添付して送信」を選ぶと、ただちにメールの作成・送付に移行できる。添付ファイルをオフラインで編集した後、返送してもらえばよい。

    11. シートの追加


    左下の +(シートを追加)をクリックすると、新たなシートで翻訳できる。

    既存シートの 1 行目だけ利用する場合の手続きは次の通り。
    1. 既存シートのタブを右クリックし「コピーを作成」を選ぶ。
    2. 右側に新シートがコピーされる。
    3. 2 行目以降のデータを削除する。
    4. 新シート名を右クリックし、「名前を変更」を選んでから名前を変更する。

    12. ファイル共有によるリアルタイム共同編集

    1. スプレッドシート (以後、hoge と記述する) 編集中に右上の [共有] をクリックするか「ファイル > 共有」を選ぶ。
    2. スプレッドシートを公開したい相手の Gmail のメールアドレスを入力した後、左下の [送信] をクリックする。
    3. 相手に 「hoge - 編集へのご招待」 というメールが届く。
    4. そのメールを開き [スプレッドシートで開く] をクリックすると、ただちに hoge の共同編集作業に従事できる。Help の右横で、編集参加者としてピンクに色づけられる。
    5. 編集済みセル以外を選択すると、相手のスプレッドシートにリアルタイムで反映される。誤ってスプレッドシートを閉じないよう注意せよ。
    6. 画面右上にある四角いチャットマークをクリックすれば、チャットを開始できる。カナ漢字変換結果の確定以外で を押すと、入力データが送信されることに注意せよ。いったんエディターで入力した後、コピー&ペーストするのが安全である。
    7. チャットの内容は保存されないので、必要なら Google ドキュメントにコピー&ペーストする。チャットのウィンドウ内をクリックしてから、Ctrl-A, Ctrl-C を押し、ドキュメントのウィンドウ内で Ctrl-V を押せばよい。スレッドシートと同様に Gmail のアドレスを持っている人に共有を通知と共有できる。
    必要に応じて 「ファイル > 共同編集者にメールを送信」 も利用するとよい。

    付録: Google ドキュメントを利用する翻訳


    Google ドキュメントでは GNMT システムによって和文を各国語に翻訳できる。Google ドキュメントで日本語.doc を英訳し、English.doc を得るときの操作は次の通り:
      1. Google ドキュメントの「新しいドキュメントを作成」で「空白」をクリックし、「無題のドキュメント」を日本語.doc に改名し、和文を入力する。
      2. メニューバーで「ツール > ドキュメントを翻訳」を選ぶ。
      3. 「新規ドキュメントのタイトル」を English.doc と入力し、翻訳する言語として「英語」を選択する。
      4. [翻訳] をクリックすると、English.doc に新たなタブが割り当てられ英訳結果が表示される。
      後で日本語.doc を開いたときに「ファイル > 開く」を選べば、English.doc も別なタブの下に開くことができる。

      選択した文字を上付き(下付き)文字にするには、「表示形式 > テキスト > 上付き(下付き)文字」を選択する。

      ファイルを共有しているときは、右上の [コメント履歴を開く] ([共有]の左)をクリックした後、[+ コメント] (コメントを追加)をクリックしてコメントを入力し、[コメント]をクリックして相手とのコミュニケーションを図るとよい。

      各コメントで [解決] の右にある「その他のオプション」(ポイントが縦に三つ並んだアイコン)をクリックすれば、コメントを編集・削除できる。

      「ファイル > 形式を指定してダウンロード > Microsoft Word (.docx)」を選べば、Word 互換ファイル *.docx が保存される。
    Jedit Ω 用マクロが実行できないときの対症療法
    Mojave がリリースされたころから RIETAN-FP・VENUS統合支援環境の基盤となっているの Jedit Ω 用マクロ(AppleScript)が異常終了する事態が増えてきた。年々セキュリティーのチェックが厳しくなっており、Jedit Ω のようなアプリケーションからの AppleScript、ひいてはシェルスクリプトの実行を強制的に停止する状態になってしまったのだろう。

    万一そういうトラブルに遭遇したならば、次の Web ページを書かれている手続きに従い、ダウンロードした全アプリケーションの実行を許可してみることを奨める。
      https://pc-karuma.net/macos-sierra-allow-apps-from-anywhere/
      https://tatomac.net/archives/22298

    要するに、ターミナルで
      sudo spctl --master-disable
    と入力し、パスワードを入力するだけだ。

    すべてのアプリケーションを許可すると、Jedit Ω からマクロを正常に実行できるようになる可能性がある。さらに「セキュリティとプライバシー > プライバシー」で Jedit Ω に対し「コンピュータの制御を許可」しておくといいだろう。
    Quantum ESPRESSO のインストール
    Quantum ESPRESSO は擬ポテンシャル法と平面波基底を用いた第一原理計算プログラム・スイートである。PWscf (Plane-Wave Self-Consistent Field) と称することもある。無料アプリケーションとしてはトップレベルの人気を誇っている。

    最近、CIF を Quantumu ESPRESSO 用入力ファイル hoge.in に変換できるように CIF コンバーター cifconv.command をバージョンアップした後、MacBook Pro (OS: macOS Mojave) に Quantum ESPRESSO 5.3.0 をインストールした。その手続きを忘れないうちに、以下に記しておく。
    1. 必要なら AppStore で Xcode の最新版をインストールしておく。
    2. Homebrew で gcc をインストールする。gcc は Quantum ESPRESSO をコンパイルするための Fortran コンパイラー gfortran を含んでいる。
    3. GitLab 中の "Click here to download the sources in in .tgz format" という箇所で "here" をクリックして Quantum ESPRESSO 6.3 用インストーラー q-e-qe-6.3.tar.gz をダウンロードし、ダブルクリックして解凍すると q-e-qe-6.3 フォルダーが生成する。
    4. Quantum ESPRESSO 講習会(東工大)の Web ページ 中の 2.3 と 2.4 に従って
      ./configure
      make pw
      make pp
      と入力することにより pw と pp をコンパイルする。フォノンを計算したい場合は ph もコンパイルする。
    5. q-e-qe-6.3 フォルダーを Quantum_ESPRESSO に改名し、/Applications フォルダー中に移す。
    6. 「グラフェンの scf 計算」で公開されている入力ファイル graphene.scf.in を使ってテストしてみる。Terminal で graphene.scf.in の存在するフォルダーに降りてから
      /Applications/Quantum_ESPRESSO/bin/pw.x < graphene.scf.in > graphene.scf.out
      と入力すればよい。その際、カレントフォルダーに擬ポテンシャルのファイル C.pz-van_ak.UPF を置くのを忘れてはならない。
    7. 計算結果が graphen.scf.out に出力される。
    8. 「グラフェンの scf 計算」下部の部分出力リストと比較して、正常に計算されたことを確認する。
    macOS=UNIX である以上、Mac にLinux用パーティションを切らずに macOS 用アプリケーションを使うのが自然である。スピードを重視するなら Intel の Fortran コンパイラーでビルドすることを推奨する。gfortran は最適化レベルがやや低い。

    Windows 用バイナリーのインストーラーは LAMMPS-ICMS Binaries Repository: qe4win/release からダウンロードできる。Fortran コンパイラーが不要なので、利便性が高い。マルチコア CPU を装着した 64 ビット Windows 機にインストールするには、並列計算用の qe-5.3.0-64bit-mpich2.exe を管理者権限で実行することを推奨する。pw.exe などを包含するフォルダーへのパスはインストーラーが自動的に通してくれる。
    VESTA と関連プログラムのハンズオンを京大で開催

     「VESTA を利用した三次元可視化と粉末構造解析」講習会  

    https://u.kyoto-u.jp/vesta


    講師: 門馬綱一 (国立科学博物館)、泉 富士夫 (京都大学)
    日時: 2019 年 3 月 18 日 (月)・19 日 (火)
    会場: 京都大学 桂キャンパス 化学系大講義室 A2-306(地図
    参加費: 無料



    昨年10月に JFCC で催し、盛会裡に終わった第25回 ナノ構造研究所 材料計算セミナーの内容に磨きを掛けたハンズオンです。太っ腹なことに、講義に使用する全スライドの PDF ファイルを差し上げます。スペースに余裕のある階段教室を会場に使うためスクリーンが見やすく、音響効果も良いはずです。快適に受講して頂くため、定員を80名に絞りました。早めの参加登録をお勧めします。

    私は19日午後の「RIETAN-FP, Dysnomia, superflip, PyAbstantia 等との連携」で Windows PC と最新の RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境と外部プログラムを使う実習を担当します。Windows 用はもとより、macOS 用のインストーラーも事前配付します。さらに謎の新作ユーティリティー(約1000行の bash スクリプト)を実演するとともに、参加者に配付します。
    二つ以上のスペースで区切られた文字列を取り出す
    文字列 '␣␣␣2␣␣3␣␣␣4␣␣5' の先頭の空白 3 つを sed で削除し、tr により連続空白を 1 つの空白にまとめた上で、cut で 3 番目のフィールドを出力ための命令は次の通り。

    % echo '␣␣␣2␣␣3␣␣␣4␣␣5' | sed 's/^ *//' | tr -s '␣' | cut -d '␣' -f 3
    4

    tr コマンドでオプション -s を指定すると、連続した同一文字(この場合、空白)が 1 文字に置き換えられる。自己満足に過ぎないものの、低速な awk を使わず済むのは心地よい。

    sed で先頭の空白を削除しないと、先頭にヌル文字が存在すると見なされる。そこで、

    % echo '␣␣␣2␣␣3␣␣␣4␣␣5' | tr -s '␣' | cut -d '␣' -f 4
    4

    としてもよい。
    VESTA の講習会、Eコースの実習内容
    10月23日(火)・24日(水)に JFCC で開催される第25回 ナノ構造研究所 材料計算セミナー、Eコースの実習・実演内容(今後、変更・追加の予定)は以下の通り。
    1. 64ビット Windows 用 RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムをインストールし、秀丸エディタに RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境を導入し、それらの概要を説明する。
    2. 高温超伝導体 YBa2Cu4O8 の CIF を VESTA で入力し、結晶データを標準化した後、「Utilities > Powder Diffraction Pattern」を選んで RIETAN-FP により粉末X線回折パターンをプロットする。
    3. RIETAN-FP が確実に読み込める CIF を VESTA で複数出力し、cif2ins と combins の連携プレーにより多相リートベルト解析用入力ファイルを作成する。
    4. VESTA が出力する最新ルールに則った CIF を ListReplace マクロによって MedeA が読み込める旧フォーマットの CIF に変換する。
    5. リートベルト解析後に ORFFE を2回実行して生成した hoge.ffe を VESTA で入力し、リスト中の結合距離と結合角を選択して結晶模型中の該当部分が選択状態になることを確認する。
    6. リートベルト解析途上の結晶データを含む VESTA 形式のファイル hoge.vesta を逐次生成する。
    7. チャージフリッピング、最大エントロピー法、イオン拡散経路の可視化などで必要となる a, b, c 軸方向に沿った単位胞の分割数を VESTA により分解能から決定する。
    8. RIETAN-FP、PyAbstantia、VESTA の連携によりイオン伝導体における可動化学種の拡散経路を BVS・BVEL 法で可視化する(Pythonnumpy をインストールした人を対象とする実習)。
    9. RIETAN-FP, Superflip, EDMA, VESTA の連携プレーにより結晶構造モデルを構築し可視化する。
    10. RIETAN-FP により Cimetidine の放射光粉末回折データをリートベルト法で解析する。さらに Dysnomia と RIETAN-FP の連携により coarse-to-fine アルゴリズムを採用した拡張 MPF を実行し、得られた電子密度分布を VESTA で表示する。
    11. DV-Xα分子軌道法により cimetidine の電子密度と静電ポテンシャルを計算し、静電ポテンシャルで彩色した電子密度の等値曲面を VESTA で表示した後、MPF で求めたイメージと比較する(実演のみ)。
    12. cif2pdf と E2J で解析結果を PDF ファイルとして文書化する際に VESTA で作成した結晶模型と電子密度の等値曲面を含める(実演のみ)。
    JFCC で粉末構造解析の無料講習会をアンコール開催!
    2015年10月以来、龍谷大学岡山大学神戸大学京都大学九州大学ファインセラミックスセンター(JFCC)に「RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析」と題するワンマン講習会を出前してきました。昨年秋には、とある民間企業にもお邪魔しました。講義だけでお茶を濁すのでなく、PC を使うハンズオン(人に教わりながらの体験学習)に重点を置くのが特徴です。

    JFCC で本年5月7・8日に開催した第22回材料計算セミナーの定員は当初60名でしたが、私のホームページ、ブログ、Twitter で宣伝し始めるやいなや参加登録者が破竹の勢いで増え続けました。会告が渾身の力作だったことが主な原因でしょう。そこで A (講義) と B (Windows での実習) の定員をそれぞれ90名と65名に増やしました。実習の定員が少ないのは充電用コンセントの数がやや少なかったためです。ところが JFCC のホームページに会告が掲示される前日の4月2日にいずれも満席となり、早々と参加登録を締め切る羽目に陥りました。最終的には100名を越える申込者があったそうです。

    私は JFCC に着任後の初仕事が空前の成功を収めたことだけで十分満足しましたが、主催者からは「かなり多くの人達が参加できなかったのは残念なので、材料計算セミナーを再度開催してもらえませんか」と要請されました。私は常日頃からイベントへの協力依頼は四の五の言わずに引き受けるよう心がけています。前代未聞のアンコール講習会を8月上旬に開催すると決断しました。旺盛な需要への対応を先延ばしするようでは、出前請負人たる私の存在意義が薄れかねません。


    第 24 回 ナノ構造研究所 材料計算セミナー

       RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析   

    日時: 2018 年 8 月 7 日(火)・8 日(水)
    会場: ファインセラミックスセンター地図


    共催: 文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究「複合アニオン化合物の創製と新機能」


    下記のように、実習用 OS を Windows だけに絞った結果、第22回材料計算セミナーに比べ Windows 機による実習の時間が2倍に増えました。一般に公開している RIETAN-FP v2.83 を最新版 v2.88 に更新でき、非公開のマクロが手に入るというメリットもあります。

    1) 講師

    泉 富士夫(JFCC 客員研究員)

    2) プログラム

    8月7日(火)、13:30〜17:00
    講義「粉末回折データの解析技術 — リートベルト法」
    講義「粉末回折データの解析技術 — パターン分解、未知構造解析、MEM」

    8月8日(水)、9:30〜12:00(昼食)13:00〜17:00
    ・64ビット Windows 機を用いる実習

    一日だけの参加も可能です。登録時に参加日を申し出てください。64ビット Windows 機を持ち合わせていない方は初日だけ聴講するという手があります。

    3) 定員

    60名(先着順)

    4) 参加費

    無料

    5) 参加登録

    JFCC の HP に掲示された会告をご覧ください。

    本講習会は粉末構造解析・三次元可視化システム RIETAN-FP・VENUS システムなどを利用した構造解析技術に関する講義と実習からなっています。講義には百数十枚のスライドを使いますが、カラー印刷の経費と手間を省くため、参加者には講義に使う二つの PDF ファイルを当日までに差し上げます。

    実習用に64ビット Windows 機(OS: Windows 7以降)と印刷済みのチュートリアル(下記)を各自ご持参ください。事前に
    をインストールしておくようお願いします。秀丸エディタはシェアウェアです。試用期間は2週間で、経済的に困窮している学生にはフリー制度があります。一方、Sumatra PDF はフリーソフトウェアです。

    インストーラーにはチュートリアル「RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析」(76ページ)が同梱されているため、実習内容の予習と復習は容易です。充実したチュートリアルを提供する実習の重要性についてはブログエントリー「最新版 RIETAN-FP・VENUS システムのお披露目を兼ねた講習会」の冒頭で力説したので、ご一読ください。実習内容が逐一記述されているチュートリア抜きでは、サポート・スタッフ抜きの実習と後日の復習は困難です。

    さらに4種類の副読本(6つの PDF ファイル)も付録として添付します。JFCC で10月23・24日に開催する VESTA の講習会用に執筆した「RIETAN-FP–VESTA 間の連携による三次元可視化とファイル変換と題する文書(23ページ)は、両ソフトのユーザーに歓迎されると確信しています。その目次は以下の通りです。


    上述のように、今回の実習に使う OS は需要が旺盛な Windows のみに絞りました。Windows ユーザーにとって、5月の講習会の時に比べ実習時間が2倍になるという利点があります。macOS 用のインストーラーも全員に配付するので、Mac ユーザーには初日だけ参加するという選択肢があります。懇切丁寧な macOS 用チュートリアル(69ページ)を手に取りながら自習するのは、さほど難しくありません。

    実習では、UNIX コマンドの集合体 BusyBox「BusyBox に魅せられて」参照)と互換性のあるシェルスクリプトを含む新世代の RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境上で種々の秀丸マクロを実行します。BusyBox はスマホ、テレビ、オーディオ、ルーター、小型サーバーなどにおける組み込み UNIX の活用に役立っています。 JFCC での講習会に先立ち、前世代の Windows 用支援環境に含まれていたバッチファイルをすべて bash スクリプトに置き換えるとともに、GnuWin32の UNIX 系コマンドと onigsed を追放しました。とりわけ苦労したのがリートベルト解析の英文報告書を「和訳」する E2J.command です。 Shift_JIS のダメ文字をストリームエディター sed で処理するノウハウの会得に腐心しました。その結果、宿年の悲願だったコマンドプロンプトからの脱却と macOS 版と同レベルへの進化を果たしたのは、嬉しい限りです。

    体験学習には RIETAN-FP の最新版 v2.88, gnuplot, Sumatra PDF, WinPLOTR, DICVOL, ORFFE, lst2cif, xdc, cif2ins, combins, sda.command, ALBA, superflip, EDMA, FOX, MPF_multi.command+Dysnomia, VESTA などを使います。上記のソフトウェア群は
    1. ピークサーチ
    2. 指数づけ
    3. バックグラウンドの決定
    4. リートベルト解析
    5. 多相リートベルト解析用入力ファイルの自動作成
    6. sed を活用した逐次リートベルト解析
    7. パターン分解
    8. 最大エントロピー・パターソン解析
    9. 未知構造モデルの構築: 双対空間法とレプリカ交換法
    10. MPF (MEM-based Pattern Fitting) 解析
    11. 結晶構造と電子密度分布の三次元可視化
    といった広大な領域を網羅しています。リートベルト解析は one of them に過ぎません。ただし時間の都合上、一部のプログラムは臨機応変にスキップする可能性が大です。といっても、上述のように実習内容はチュートリアルに詳述しましたから、受講者は後日ゆっくり自習できます。

    中でも cif2ins と未公開ユーティリティー combins の連携プレーは注目に値します。cif2ins は CIF 中の結晶データをひな形ファイル template.ins に導入することにより RIETAN-FP 用入力ファイル *.ins に変換します。一方、combins は複数の *.ins から多相解析用入力ファイル multi_phase.ins を自動生成します。multi_phase.ins を改名し、必要に応じて中身を編集してからリートベルト解析に移行します。

    sed を活用したシェルスクリプト sda.command による逐次リートベルト解析の自動化は、他に類を見ない独創的な技術です。代表的な UNIX ツールである sed が BusyBox に含まれているのは言うまでもありません。複数箇所の文字列置換が可能で、正規表現も使えます。sda.command は温度、圧力、化学組成、雰囲気などを変化させて測定した一連の強度データの自動解析で真骨頂を発揮します。今回の実習では、sda.command を
    • BaSO4 の粉末X線回折データのリートベルト解析における選択配向ベクトルの決定
    • 室温から640 Kの間で測定した Sr3Zr2O7 の放射光粉末回折データ(9点)の逐次リートベルト解析
    に応用します。

    比較的時間のかかる計算中に、訴求効果の高いデモンストレーションとして
    を実演します。両者を実習から外すのは TeX LiveMiniconda3 がかなり大きなディスクスペースを占めるためです。ただしチュートリアルを参照すれば、TeX Live と Miniconda3 は容易にインストールできます。


    Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2 における BVEL の三次元分布。等値曲面レベル: −2.5 eV。
    9個の単位胞を作画した。緑、三色、赤の球はそれぞれLi, (Ni1/3Mn1/3Co1/3), O を示す。

    前回の講習会と比べると、ソフトウェアと教材はゆっくりではあるものの着実に進歩しています。RIETAN-FP v2.88 はリートベルト解析途上の結晶データを含む VESTA 形式ファイル *.vesta を逐次生成できます。非対称単位内の原子数が多い配位ネットワーク錯体やゼオライトなどのリートべルト解析において構造精密化の進捗状況と妥当性を VESTA で検証するのに役立ちます。新作マクロ intramol と変換リストによる連続置換マクロ ListReplace.mac(二つの変換リストファイル cif_PDF-4+.txt と cif4MedeA.txt を含む)も追加しました。さらに、チュートリアル中の「可動イオンの拡散経路の可視化」の部分を加筆修正し、BVS・BVEL 法に関する重要な情報を提供できるようにしました。過去の講習会の参加者が再受講されても、それなりの意義があるはずです。奮ってご参加ください。

    第24回材料計算セミナー(8月)は第22回材料計算セミナー(5月)から3ヶ月しか経っておらず、なおかつほぼ同内容の講習会が9月下旬に東工大で開催されるにもかかわらず、定員を越える63名(JFCC の職員を除く)の方々が参加し、盛会のうちに終わりました。両セミナーの驚異的な集客実績は長く語り草になることでしょう。

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