お知らせ+活動記録+たわごと

HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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NIMS 発の論文で被引用数トップの地位を獲得!
昨年、2000〜2010年の間に世界トップクラスの被引用数を獲得した100人の材料科学者のうち、唯一の日本人が不肖私めだったという椿事について「世界の材料科学者トップ100にランクイン」と題するエントリーに記しました。この衝撃的事実は、特別顧問を務めている PANalytical のオランダ本社からの通知により、遅ればせながら2016年夏に知りました。当時、同社から広報活動用に使わしてもらえないかと打診されたのですが、何分にも5年前の調査結果だったため、丁重にお断りしました。その代わり、東日本大震災の直前にタイムスリップした私が書き散らしたという体裁に脚色し、上記エントリーに仕立て上げた次第です。

NIMS の所内ホームページでは Web of Science に収録された論文のうち NIMS の研究者が2004年以降に発表した全論文(現時点で20,053報)の被引用数を調査できます。以前は最新データが利用できませんでしたが、今年から頻繁に更新されるようになりました。

本日、被引用数1,000以上の論文を検索したところ7報の論文がヒットしましたが、なんとそのうち2報が VESTA に関する論文 (Momma & Izumi, 2008; Momma & Izumi, 2011) でした。門馬と泉はもはや NIMS の職員ではありませんが、両論文ではいずれも所属が NIMS となっているため、スクリーニングをくぐり抜けて検索結果にもぐり込んだのです。

特筆大書すべきなのは、VESTA 3に関する論文 (Momma & Izumi, 2011) の被引用数が2,512に達し、単独首位に躍り出たことです。2万報を超す論文の頂点に立ったのは快挙と言ってよいでしょう。


下の棒グラフに示すように、この論文は発表以来、被引用数/年が単調に増加し続けているモンスター級論文であることから、数年後には他の NIMS 発論文がいくらがんばっても追随できない、破格のレベルに達する見込みです。


可及的速やかにそのような伝説的水準に到達させたいので、VESTA で作成したイメージを含む原著論文やレビューを投稿する際には、ライセンス契約を遵守し、上記論文を必ず引用してください。故意か過失かは知る由もありませんが、かなりの割合で引用されていないように見受けられます。

今日、VESTA は CrystalMakerDIAMOND に代表される高価な結晶構造作画ソフトを駆逐するためのキラー・アプリケーションとして世界中で活用され、高い評価を得ています。結晶構造だけでなく VASP, ABINIT, WIEN2k を始めとするメジャーな電子状態計算プログラムで得られた voxel データも手軽に視覚化できることが VESTA の普及と知名度向上に拍車を掛けています。

なお、旧バージョンに関する論文 (Momma & Izumi, 2008) の方は4位に留まりました。とはいえ、未だに年間200回強も引用されているのですから大したものです。「お役目ご苦労さん」と声を掛けたくなります。

VESTA の前身である VICS・VEND のペアについては、別なエントリー「VESTA の両親 VICS・VEND 秘話 ― 道楽の果て」(2011年12月20日)と解説記事「結晶構造と電子状態の三次元可視化システム VENUS」をお読みください。なお VICS・VEND のソースコードは CD-ROM 版「セラミストのためのパソコン講座」に収録されておりますので、独自の可視化ソフトを製作したいという勇猛果敢な方は参考にしてください。ただし、結晶構造描画と voxel データ可視化の個別プログラムを統合し、なおかつ VESTA 3 を凌駕する逸品を製作しない限り、無価値の誹りを免れません。

VICS・VEND が存在しなかったら VESTA は影も形もなかったに違いありません。私が定めた仕様を具現化するため、プログラマーとして奮闘してくれた Ruben A. Dilanian(現所属:メルボルン大学)に深く感謝します。
文献 | 09:34 | comments(0) | - | - |
放射光X線解析と第一原理計算による (La1-xSrx)CoO3-δ の構造と混合導電機構との相関に関する研究
T. Itoh, M. Inukai, N. Kitamura, N. Ishida, Y. Idemoto, and T. Yamamoto, "Correlation between structure and mixed ionic–electronic conduction mechanism for (La1-xSrx)CoO3-δ using synchrotron X-ray analysis and first principles calculations," J. Mater. Chem. A, 3, 6943-6953 (2015).
DOI: 10.1039/C4TA06386D

放射光粉末回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が、MEM解析に Dysnomia が、結晶構造モデルの作画に VESTA が使われた。
文献 | 21:56 | comments(0) | - | - |
Na+ の高い拡散定数に起因する層状コバルト酸化物の高速放電過程
T. Shibata, Y. Fukuzumi, W. Kobayashi, and Y. Moritomo, "Fast discharge process of layered cobalt oxides due to high Na+ diffusion," Sci. Rep., 5, Article No. 9006 (2015).
DOI: 10.1038/srep09006(オープンアクセス)

放射光粉末回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が使われた。
文献 | 12:26 | comments(0) | - | - |
負の熱膨張を示す BiNi1-xFexO3 における温度履歴の抑制
K. Nabetani, Y. Muramatsu, K. Oka, K. Nakano, H. Hojo, M. Mizumaki, A. Agui, Y. Higo, N. Hayashi, M. Takano, and M. Azuma, "Suppression of temperature hysteresis in negative thermal expansion compound BiNi1-xFexO3 and zero-thermal expansion composite," Appl. Phys. Lett., 106, 061912 (2015).
DOI: 10.1063/1.4908258

放射光粉末回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が使われた。
文献 | 16:38 | comments(0) | - | - |
新 PbTiO3 型正方化合物 Bi2ZnVO6 とその高圧安定性
R. Yu, H. Hojo, K. Oka, T. Watanuki, A. Machida, K. Shimizu, K. Nakano, and M. Azuma, "New PbTiO3-type giant tetragonal compound Bi2ZnVO6 and its stability under pressure," Chem. Mater., 27, 2012-2017 (2015).
DOI: 10.1021/cm504133e

放射光粉末回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が使われた。
文献 | 17:46 | comments(0) | - | - |
擬一次元化合物 Rb2Cr3As3 における異例の超伝導
Z.-T. Tang, J.-K. Bao, Y. Liu, Y.-L. Sun, A. Ablimit, H.-F. Zhai, H. Jiang, C.-M. Feng, Z.-A. Xu, and G.-H. Cao, "Unconventional superconductivity in quasi-one-dimensional Rb2Cr3As3," Phys. Rev. B: Condens. Matter Mater. Phys., 91, 020506 (2015).
DOI: 10.1103/PhysRevB.91.020506

粉末X線回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が使われた。
文献 | 22:46 | comments(0) | - | - |
水素化物置換で誘起された EuTiO3–xHx における反強磁性−強磁性転移
T. Yamamoto, R. Yoshii, G. Bouilly, Y. Kobayashi, K. Fujita, Y. Kususe, Y. Matsushita, K. Tanaka, and H. Kageyama, "An Antiferro-to-Ferromagnetic Transition in EuTiO3–xHx Induced by Hydride Substitution," Inorg. Chem., 54, 1501-1507 (2015).
DOI: 10.1021/ic502486e

放射光粉末回折データのリートベルト解析に RIETAN-FP が使われた。
文献 | 12:38 | comments(0) | - | - |
ナトリウムイオン電池に関する研究の進展
N. Yabuuchi, K. Kubota, M. Dahbi, and S. Komaba, "Research Development on Sodium-Ion Batteries," Chem. Rev., 114, 11636-11682 (2014).
DOI: 10.1021/cr500192f

47ページの総説。VESTA で作画した多数の結晶模型が使われている。
文献 | 11:25 | comments(0) | - | - |

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