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RIETAN-FP・VENUS システムの化学教育への応用
セラミックス誌の「セラミックスと教育 (2)」特集号に掲載された解説、

白神達也, 野村勝裕, "構造解析学の講義における VESTA,RIETAN-FP を用いた計算機実習", セラミックス, 48, 870-874 (2013).

を野村勝裕氏(産業技術総合研究所)がご恵送くださった。野村氏が非常勤講師を務めておられる龍谷大学理工学部物質化学科では、2006年度から構造解析の授業と実習に RIETAN-FP・VENUS システムを利用してきた。光栄至極である。上記の記事では、RIETAN-FP と VESTA をどのように活用しているかを具体的かつ詳細に紹介している。粉末X線回折パターンのシミュレーションに加え、CeO2のリートベルト解析の実習にまで踏み込んでいるそうだ。

野村氏によれば、VESTA で NaCl の単位胞内の原子を表示した後、a, b, c 軸方向に作画範囲を10倍に広げるよう指示すると、学生たちが歓声を上げるとのこと。結晶構造を三次元的に理解できたためだろう。結晶が単位胞を a, b, c 軸方向に沿って繰り返し積み上げたものに他ならないことを視覚に訴える形で示せるのだから、教育効果は極めて高い。

RIETAN-FP と VESTA は安価なネットブックや古い PC 上でも俊敏に動く。これらは元々、教育への応用も目指して開発したため、とにかく軽いのである。一方、CCDC の可視化プログラム Mercury は有機化合物に特化している上、かなり重い。

RIETAN-FP と VESTA はネット上で無償公開しているので、学生が自分の PC に最新版をインストールし、研究室、図書館、自宅などでいつでも自由に使える。「無料であることは科学技術ソフトにとって最重要の機能」というのが私の口癖である。RIETAN-FP v2.33で実現した gnuplot によるグラフ作成機能は、拙作プログラムの周辺もフリーソフトウェアで固めることを念頭に置いて実装した。実習の教材に留まらず、学内での研究にも応用できる。社会に出た後も、様々な局面で役立つ可能性がある。

RIETAN-FP v2.33以降では「mcz」という裏技を楽しめる。その珍技を学生に教えて遊んでもらうのも一興だが、教育的意義があるかどうかは定かでない (笑)。

プログラミングは孤独な作業である。しかし、教育現場での利用を通じて若い世代に恩恵を与え続けているのであれば、けっして寂しくはない。拙作ソフトを通じて社会とつながっているのだし、学生は研究者よりも桁違いに多いのだから。上記解説を読ませていただき、プログラマー冥利に尽きる思いだった。
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