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HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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RIETAN-FP v2.4 のリリース
RIETAN-FP・VENUS システム配布ファイルの Web ページで公開している Windows・OS X 用 RIETAN-FP・VENUS システム配布ファイルを更新しました(Windows_versions_20140723.zip と OS_X_versions_20140723.dmg)。RIETAN-FP が v2.4 にメジャーチェンジし、それに伴いひな形ファイル hoge.ins の後半におけるデータ入力の順序が激変しました。

主な変更点は次の通りです:
  1. Fortran 90/95の文法に則り、ソースコードをかなり書き換えた(「Fortran 90/95 化の推進」参照)。
  2. プリプロセッサ New Tink によって hoge.ins を前処理する直前にフェイルセーフ用チェックルーチン CHECK_LINE_LENGTH を実行するよう改善した。 CHECK_LINE_LENGTH では、ユーザー入力ファイル hoge.ins において注釈を除く入力データが80桁を越している行を検出すると、当該行の番号を含むエラーメッセージを出した後、プログラムが終了する。
  3. ハイブリッド・パターン分解では、最終 Rwp を少しでも下げるために、個別パターンフィッティング終了後に Marquardt 法による Le Bail 解析を1サイクルだけ実行するよう変更した。
  4. hoge.ins の後半で入力するデータの順序をかなり変更し、従来より自然な流れになるよう気を配った。FapatiteJ.ins の冒頭の冗長な文言は削除した。
  5. グラフ作成ソフトを指定する変数 NPAT はパターンフィッティング、シミュレーションに共通の一箇所で指定するよう改めた。
  6. hoge.ins 中の INDREF に対するコメントを修正した: XREF → xrefl, YREF → yrefl。
  7. グラフ作成、フーリエ解析、MEM 解析のための入力データを hoge.lst に出力するようにした。
  8. Gnuplot+ps2pdf が出力したグラフファイル(「RIETAN-FP への gnuplot の導入」参照)を拡大表示すると線が太すぎるように見えるため、線幅のデフォールト値を DLW = 4.00 と MUL = 1.00 に減らした。
  9. hoge.lst 末尾の反射リストに出力される Code を三文字に増やした。分割プロファイル関数を用いたとき、部分プロファイル緩和を適用した反射では最初の文字が '*' となる。X線回折に限り出力される二番目の文字 '+' と '-' はそれぞれフリーデル対における hkl と -h-k-l 反射を示す。
  10. 拡張分割擬フォークト関数をプロファイル関数として用いた場合でも、hoge.lst 末尾の反射リストに部分プロファイル緩和を適用した反射の半値全幅(FWHM)を数値計算で求め、分解能 Δd/d とともに出力するようにした。
  11. MPF における出力ファイル hoge.lst 中の反射リストで Kα2 反射の結晶構造因子の絶対値 |F(crys)| がすべてゼロになるという不具合を取り除いた(MPF には影響しないバグ)。
  12. NMODE = 4のときは、強制的に NC = 0, NDA = 0, NFR = 0, NMEM = 0 と設定するようにした。
  13. マルチコア CPU を装着した PC が普及したことを考慮し、hoge.lst の最後に出力される CPU time を Elapsed time(経過時間)に変更した。
  14. OS X 用 RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境のマクロメニューで [Graph] を選んで解析・シミュレーションパターンを gnuplot で 表示する際、グラフが Jedit X のウィンドウの背後に隠れるようになっていたため、二つの bash スクリプト graph.command を修正した。
  15. Windows 用配付ファイルに同梱している gnuplot を安定版の v4.6.5 に、Ghostscript を最新版の v9.14 に変更した(「RIETAN-FP への gnuplot の導入」参照)。
  16. TeX Live 2014がインストールされた Windows 機でも、ps2pdf が出力した PDF ファイル hoge.pdf のマージンを pdfcrop で切り取れるようにした。
RIETAN-FP v2.4は Intel Visual Fortran Composer XE for Windows 2013 SP1 (Update 3) あるいは Intel Fortran Composer XE for OS X 2011 (Update 13) でビルドしました。OS X 版を古いコンパイラでビルドしたのは、最新版コンパイラの使用は共役方向法による Tl2223 のリートベルト解析を発散させることが判明したためです。時代の趨勢を鑑みて OS X 用 RIETAN-FP は64ビット専用アプリケーションとしました。手元不如意のため32ビット CPU 機を使わざるを得ないという方は、私にご連絡ください。

今回のバージョンアップに費やした手間は半端でありませんでした。単純なサブルーチンを内部副プログラム化し、多数のループを FORALL 文や部分配列などを使用して書き改め、RIETAN-FP の核心部分(三つの非線形最小二乗エンジン)にまで手を入れ、hoge.ins における入力順序をドラスティックに変更するという大規模な改訂でした。慎重を期すために、当分の間、これまでの配付ファイル(4月7日に公開した Windows_versions.zip と OS_X_versions.dmg)もダウンロードできるようにしておきます。ドキュメンテーション(documents.zip 中の PDF ファイルの改訂)については、来週に着手します。

RIETAN-FP v2.33以降では mcz という裏技が楽しめます。実際には RIETAN-FP 自体の機能でなく、grep と gsed を駆使したシェル芸を披露しているだけですが。本年三月以降、6回に及ぶ私の講演を聴講された方は mcz の正体をご存じでしょう。もともとは名工大の学生が RIETAN-FP に親しみを覚えてほしいという願望から追加した珍機能でしたが、事志と違って学生たちが引いてしまい、一向に使ってくれません。mcz についてマニュアルに追記し、ホームページやブログで言及するのを控えている理由は簡単 ––– 恥ずかしくて、人目に晒すには忍びないからです。それがいかなる技なのかが気になって仕方ないという方は、質問メールをお送りいただけば、こっそり教えます。唖然とするにちがいありません。

拙作ソフトのメンテナンスと改良は完全なボランティア活動でなく、スポンサーからの援助を必要としています。もちろん寄付は大歓迎です。RIETAN-FP v2.33のスポンサーは PANalytical でしたが、v2.4では物質・材料研究機構の量子ビームユニットに変わりました。7月2日の粉末回折情報館(新着情報)にも記したように、拙作プログラムは物質・材料研究のための基幹ソフトウェアとして瞠目すべき実績を挙げてきました。私は7月以降、同ユニットから今後も RIETAN-FP・VENUS システムを改良・維持・管理するよう正式に委託されていることを最後に申し添えておきます。
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