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HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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Williamson-Hall と Halder-Wagner プロットを好みに応じて変更する方法
RIETAN-FP v2.6に追加した新機能、Williamson–Hall (WH) と Halder–Wagner (HW) プロットでは、gnuplot が hoge.plt と hoge.gpd から作成したグラフが PDF ファイル hoge-mscs.pdf に出力され、スクリーンに表示される。たとえばひな形ファイルの Fapatite.ins 中で MSCS = 2 (HW プロット) と設定したとしよう。β を積分幅(装置に由来する拡がりの寄与を差し引いた値)、θ をブラッグ角、K を形状因子、λ を波長、D を結晶子サイズ、ε をミクロ歪みとすると、Halder–Wagner の式は


と表される。β の単位はラジアンなので、(β/tanθ)2 と β/(tanθ sinθ) はいずれも無次元である。回帰直線の傾きから Kλ/D が、y 切片から 16ε2 が求まる。ε = Δd/d なので、16ε2 も無次元だ。

RIETAN-FP によってリートベルト解析を行った後、MSCS マクロで作画した HW プロット


をご覧いただきたい。ほぼ全反射のポイントがきれいに回帰直線に乗っているものの、y 軸で小数点・指数表記の数値が混在しており、やや見苦しく感じるだろう。y 軸に目盛った物理量 (β/tanθ)2 を1000倍すれば、程良い感じになりそうだ。そこで、Fapatite.plt の後半に注釈行として追加した Halder–Wagner プロット命令の一部を次のように変えてみた:

Line 61 (修正前): #YMAX = 1.49607E-04 # Maximum value for the y axis
Line 61 (修正後): #YMAX = 1.49607E-01 # Maximum value for the y axis

Line 78 (修正前): #set ylabel "({/Symbol-Oblique b} .....
Line 78 (修正後): #set ylabel "1000&{|}({/Symbol-Oblique b} .....

Line 81 (修正前): ..... using ($9/$7**2):(($9/$7)**2) .....
Line 81 (修正後): ..... using ($9/$7**2):(1000*($9/$7)**2) .....

Line 85 (修正前): # 0.00000 2.321955E-07
Line 85 (修正後): # 0.00000 2.320145E-04

Line 86 (修正前): # 7.947186E-02 1.351583E-04
Line 86 (修正後): # 7.947186E-02 1.351583E-01

Line 61では y 軸の最大値を1000倍し、Line 78では y 軸のラベルを 1000(β/tanθ)2("{|}" はわずかな空白を表す)とし、Line 81では y 軸にプロットする物理量を 1000(β/tanθ)2 とし、Line 85と Line 86ではそれぞれ y 切片と最高角のポイントの y 座標を1000倍している。

上記のように書き直し保存してから、MSCS マクロを最実行して得られたグラフを以下に示す。


y 軸の目盛りに付けた数値がかなり見やすくなった。この他、線の太さ、円の大きさ、フォントサイズなども RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境内で容易に変えられる。たとえば、y 軸の数値をすべて小数点以下二桁の書式に変更したい場合は、"#set ylabel ....." の直後に
#set format y '%.2f'
という行を追加すればよい。"#set ylabel ....." 中の offset の値は必要に応じて調節する。

MSCS マクロは WH・HW プロット用スクリプトファイル hoge-mscs.plt を hoge.plt と同一のフォルダーに残す。これを再利用しない手はない。Gnuplot 用の GUI アプリケーション Cueplot, Xgfe, Qgfe, UnigPlot, RubyPlot, QPlot などで hoge-mscs.plt を入力した後、細かい作画条件を変更するという選択肢を覚えておけば、時には助かることもあろう。

一般に、アプリケーションにブリトインされたグラフ作成ルーチンは融通が利かず、様々な微調整ができない。RIETAN-FP がグラフ作成を gnuplot のような外部プログラムに委ねているのは、リートベルト解析パターンや WH・HW プロットを自分好みに仕立て上げられるためである。
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