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HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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RIETAN-FP v2.7 と cif2ins の公開
RIETAN-FP v2.7 を含む Windows・OS X 用 RIETAN-FP・VENUS システムのファイル三つをアップロードしました。新配付ファイルにおける改善点は以下の通りです:
  1. hoge.ffo 中の "I"(積分強度)として CALCI(I) を出力し、吸収因子などの寄与を含めた。
  2. hoge.inflip 中で FWHM と |F|2 のデータ間に余程のことがない限りスペースが入るように、|F|2 に割り当てる桁数を一つ増やした。
  3. Crystallographic Information File (CIF) のテキストファイル hoge.cif を RIETAN-FP 用ユーザー入力ファイル hoge.ins に変換するためのユーティリティー cif2ins を新たに作成した。*.ins の雛形ファイルとして template.ins(固定名)というファイルを同一フォルダーに置くという仕様にした。
  4. cif2ins で hoge.ins にデータを書き込む都合上、文字型変数 PHNAME の長さを 68 に増やした。
  5. Bond Valence Sum (BVS) マップ可視化用 Python スクリプト PyAbstantia の入力ファイル BVS3D.inp を出力する機能を RIETAN-FP に追加した。単位胞中の原子リストの作成には既存ルーチンを再利用した。BVS3D.inp 中には単位胞中の全原子について元素名、分率座標 (x, y, z)、占有率が出力されており、電子状態計算などで流用することも可能である。
  6. RIETAN-FP による粉末回折パターンのシミュレーション (NMODE = 1) に引き続き PyAbstantia を実行し、計算結果を VESTA で視覚化するようシェルスクリプト RIETAN.command を拡張した(OS X 限定)。
  7. OS X 用シェルスクリプト *.command でファイル関連のエラーが発生したとき、ターミナル・ウィンドウの閉じ方を指示するようにした。
  8. Windows 用 MPF 解析シェルスクリプト MPF_multi.command における RIETAN-FP の実行形式ファイル名を修正した。
  9. Windows・OS X 用インストーラーを徹底改良した。
  10. documents フォルダー内の5つの PDF ファイルを v2.7 に対応した内容に改訂した。
  11. Windows 用 Ghostscript を v9.18 にバージョンアップした。
cif2ins は CIF をかなり綿密にチェックしてくれるので、CIF の記述ミスを検出するのにも使えます。たとえば CIF 中の各行は80桁を越えてはならないというルールがありますが、cif2ins で hoge.cif を処理すると、80桁オーバーの行をただちにターミナル (OS X) あるいはコマンドプロンプト (Windows) のウィンドウ中で指摘します。hoge.cif 中に "#std" (standardize の略) という注釈行を挿入すると、cif2ins は RIETAN-FP に内蔵されている Structure Tidy による結晶データ標準化用の hoge.ins を出力します。"#std" を追記すべきか否かは、自分で判断してください。引き続き、hoge.ins を対象として RIETAN-FP を実行すると、hoge.lst の末尾に標準化された格子定数と原子座標が出力されます。後は hoge.ins にそれらをフィードバックするだけです

CIF の文法に則っているにもかかわらず cif2ins が正常に hoge.ins を出力しないときは、お手数でも当該 CIF を私にお送りいただければ幸甚です。将来のバージョンで改善するよう努めます。

BVS マッピングは化学結合の本質の一部を把握した秀逸な手法であり、リチウム・ナトリウムイオン二次電池や固体酸化物燃料電池 (SOFC) におけるイオン伝導経路を推定するための強力、簡便、ローコストなツールとして役立ちます。参考までに、超イオン伝導体 α-AgIナトリウムイオン電池材料 Na2/3(Mg0.28Mn0.72)O2 の伝導経路をご覧ください。

PyAbstantia は Adams (2000) が提案した方法により BVS の三次元分布を計算するためのプログラムであり、西村真一氏(東大)により開発されました。著作権の関係上、今回の配付ファイルには同梱していません。PyAbstantia をお使いになりたい方は、西村氏に直接問い合わせるようお願いいたします。PyAbstantia が出力するバイナリーファイル BVS3D.pgrid 中のボクセルデータは VESTA で 3D 可視化できます。BVS-3D マップと PyAbstantia については11月20日(金)に名工大で研究会を開き、作者自身に詳しく解説していただく予定です。また「BVS の 3D 分布計算プログラム PyAbstantia」という長文ノートを Evernote で作成しましたので、今後 PyAbstantia を利用していくことにした方々は私にご連絡ください。公開ノートの URL をお教えします。

今回からマニュアルは pdfTeX や pLaTeX でなく LuaTeX で組版するよう変更するとともに、フォントサイズと行間隔を統一しました。ドキュメンテーションは苦役以外の何物でもないので、将来性のあるタイプセット・エンジンの導入は、新しもの好きの自分にとって格好の気晴らしになりました。処理はやや遅いものの、英文・和文共通のためタイプセットメニューでのコマンド切り替えが不要で、PDF ファイルが直接得られる点が気に入っています。今、自作ソフトに LuaTeX を応用しようと目論んでいる最中です。
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