お知らせ+活動記録+たわごと

HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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RIETAN-FP v2.8X リリース時の掲示(まとめ)
RIETAN-FP ユーザーのために便宜を図るべく、「泉 富士夫の粉末回折情報館」の新着情報に掲示した RIETAN-FP v2.8X に関する全記事を一つのエントリーとして合体した。RIETAN-FP v2.8 が小刻みに改善され v2.82 にまで至った経緯が把握できよう。

1. 2016年5月6日(金)新 RIETAN-FP・VENUS システム配付ファイルの公開

RIETAN-FP v2.8 の完成を受け、Windows・OS X 用 RIETAN-FP・VENUS システムの配付ファイル三つを先ほどアップロードしました。遅れに遅れて約半年ぶりのリリースとなったのは、人材育成事業(Nanotech CUPAL)を優先せざるを得なかったためです。中でも百数中枚に達するスライドの英訳には疲れ果てました。

主な変更点は RIETAN-FP_manual.pdf の最終パート「多目的パターンフィッティング・システム RIETAN-FP の新機能について」中の
5 X線分散補正項と質量減衰係数のグラフ化
27.5 反射リストを CIF に追加するマクロ refln(「反射リストからデータを抽出して CIF を作成するシェルスクリプト」参照)
27.6 LaTeX 関係のマクロ
に記しました。RIETAN-FP_manual.pdf は documents.zip の展開により生成する documents フォルダーに入っています。同フォルダー中の Readme_*.pdf 4つも改訂しました。Windows 版に同梱しているフリーソフトウェアのうち、gnuplot は v5.0.3 に、Ghostscript は v9.19 にバージョンアップしました。OS X 版のユーザーは gnuplot を v5.0.3 にアップデートしてお使いください(「RIETAN-FP への gnuplot の導入」参照)。Plot と xdc を使うには最新版が必要です。Windows 版ではさらに RIETAN_VENUS¥Commands フォルダーにプログラミング言語 AWK の処理系 gawk.exe (refln で使用) と pdftk.exe (PDF ファイル処理コマンド、Windows 用 cif2pdf で使用) を追加しました。

92元素に対する質量減衰係数(mass attenuation coefficient)ρm のフォトン・エネルギー依存性をテキストファイル mac.tbl として保存しました。これに伴い、多相試料でミクロ吸収 (microabsorption) を補正する際、構成元素の ρm が自動計算されるよう改善されました。

hoge.ins で NPRINT = 2 に設定して RIETAN-FP を実行した後、xdc マクロを選択し元素名を指定すると、X線分散(俗に言う異常分散)の実数項 f ' と虚数項 f ''、ρm が波長(フォトン・エネルギー)の関数としてプロットされます(下図)。



吸収端の波長をブラウザーで表示するという離れ業も楽しめます。この新機能は放射光だけでなく特性X線でも使えます。hoge.ins において純粋な化学種 (pure chemical species) として任意の元素名をダミー入力して当該元素のグラフを描くという裏技も忍ばせました。一般に物質によるX線の吸収スペクトルを測定すると、吸収端より高エネルギー側で吸収が激増します。急激に吸収が強まる端っこという意味で吸収端と呼ばれます。これは 殻電子のような内殻電子を励起するのに必要なエネルギーに他なりません。吸収端より高エネルギー側では、 殻や 殻から電子が落ちてくるとき発生する蛍光X線も強まります。xdc が出力するグラフはたとえば Cu Kα 特性X線で粉末回折データを測定するとき Ni フィルターで Cu Kβ 線をカットし、Fe を主成分として含む試料でバックグラウンドが高まるといった現象の理解に役立ちます。Nanotech CUPAL と名工大向けの教材として本新機能を支援環境に加えました。

LaTeX 用マクロ cif2pdf は
  1. hoge-cif: lst2cif と refln で作成した結晶構造データ、幾何学的パラメーター、反射リストなどの CIF (Crystallographic Information File)、
  2. hoge.pdf: RIETAN-FP によるリートベルト解析結果に基づいて Plot マクロで作成した観測・計算・差パターン、
  3. hoge-struct.pdf: VESTA で作画した結晶模型、
  4. hoge-density.pdf: VESTA で描いた電子・干渉性散乱長密度分布のイメージ、
  5. hoge-mscs.pdf: MSCS マクロで作成した Williamson–Hall あるいは Halder–Wagner プロットのグラフ、
  6. append.pdf: hoge-report.pdf の末尾に追加すべき PDF(たとえば xdc の出力 xdc-*.pdf や "International Tables for Crystallograhy," Vol. A 中の特定空間群のページ)
を合体し、hoge-report.pdf(英語)を作成します。cif2pdf のhoge-report.tex作成部分の実体は FORTRAN 90 プログラム cif2ins に他なりません。引き続き E2J を実行すると、日本語文書 hoge-report-j.pdf に「翻訳」されます。組版エンジンには高速性を重視し pdflatex (cif2pdf) と platex + dvipdfmx (E2J) を採用しました。両マクロを使うのに必要不可欠な TeX Live のインストールについては「OS X・Windows 用 TeX Live のインストール」を参照してください。

CIF は単なるテキストファイルに過ぎず、科学情報を過不足なく伝えるだけの表現力を持ち合わせていません。理工系文書に頻出するイタリック、上付き、下付き、ボールド、オーバーライン、ギリシャ文字などの書体や数式については、完全にお手上げです。そこで CIF を文書化するプログラムが過去に多数出現しましたが、図や付録を自動挿入できる上、日本語に「翻訳」までしてくれる cif2pdf + E2J のような賢いソフトは寡聞にして存じません。画期的なユーティリティーと言ってよいでしょう。

簡易タイプセット用マクロ Typeset, BibTeX, MakeIndex による手っ取り早く高速な組版も実現しました(「Jedit X 用 LaTeX 組版支援環境」参照)。OS X では PDF ファイル閲覧プログラム Skim をインストールしてから、お使いください。これら三つはあくまで自分用のマクロであり、人様に使って頂くことは念頭に置かずに設計・製作しました。従来、LaTeX 文書のタイプセットには TeXShop を愛用してきましたが、タブでウィンドウを切り換えられない旧態依然の GUI には失望していました。TeXShop の使用を前提とする「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」という文書を公開している自分ですが、TeXShop にはもう見向きもしていません。ここまで LaTeX に肩入れするのは、商用ソフト(Microsoft Word)の鈍重さと不適切なカーニングに日ごろ辟易していることに加え、優れた無償ソフトを普及させたいと願っているためです。cif2pdf や E2J で LaTeX に慣れ親しんでおけば、自ずと LaTeX の世界に引き込まれていくと思われます。

グラフではセリフでなくサンセリフを選択することが望ましいという "Gnuplot in Action" 中での指摘に触発され、Plot, MSCS, xdc マクロで作成するグラフ中のフォントを Times から Helvetica に変えました。gnuplot スクリプトファイル hoge.plt を書き直せば、欧文基本35書体の PostScript フォントに変更できます。フォント名は RIETAN-FP_manual.pdf の17.7.1に列挙しておきました。さらに上図と同様に、リートベルト解析パターンの横軸(上部)に格子面間隔 d の目盛、数値、ラベル(d/Å)を付けられるようにしました:



このグラフではタイトルと信頼度の指標4つも表示しています。ご覧のように、計算パターンの色は cyan に戻しました。

Windows 用プログラムの起動に使うバッチファイルのうち cif2ins.bat, Plot.bat, refln.bat, RIETAN.bat, Typeset.bat は FINDSTR + (&& or ||)(「FINDSTR 実行後の ERRORLEVEL に応じた条件分岐」参照)により文字列検索後に場合分けするよう改善しました。洗練されていない FOR 文が減ったのは実に良い気分です。UNIX 系コマンドがインストール済みの環境で MPF_multi.command が正常に動作しないという不具合を修正しました。PATH 指定の順番が不適切でした。また念のために Plot.bat で遅延環境変数を展開するよう改めました。

RIETAN-FP の入力ファイル hoge.ins のひな形に多少手を入れました。とくに ORFFE 用入力(「ORFFE による結合角と二面角の計算」参照)の部分には大なたを振るいました。適切な最大結合距離を指示した 201 命令さえ hoge.ins に含まれていれば、ORFFE を2回続けて実行するだけで全結合角を計算できることを考慮しました。それでもまだ完璧からは程遠いでしょう。意味不明な箇所や誤りがありましたら、遠慮なくご指摘ください。なお、Cimetidine のリートベルト解析において構造パラメーターを固定していたことに気づき、すべての可変パラメーターを精密化するよう Cimetidine.ins を変更しました。

その他、細かい修正は多数にのぼりますが、省略します。

従来、OS X 版では RIETAN_VENUS/template_commands フォルダーに入っているシェルスクリプト *.command のひな形から解析ファイル専用のシェルスクリプトを RIETAN_VENUS/commands フォルダーに生成するサービスを提供してきましたが、今回、廃棄処分に踏み切りました。MPF_multi.command は commands_common フォルダーに移しました。Jedit X 上で動作する RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境に比べると使い勝手が今一つだからです。老骨に鞭打って孤軍奮闘している自分としては、メンテナンスの手間を省けるのは助かります。

これまで OS X 用支援環境におけるショートカットの設定には BetterTouchTool の使用を推奨してきましたが、システム環境設定の [キーボード] で [ショートカット] タブをクリックして設定するオーソドックスな手続きに立ち戻ることにしました(Readme_scpt.pdf, 2.3.3参照)。 [キーボード] で設定したショートカットがしばしば無効になるという不具合が El Capitan では解消したためです。[キーボード] による設定には、登録したショートカットがマクロのプルダウンメニューに表示されるという利点があります。

2. 2016年5月15日(日)RIETAN-FP・VENUS システムの更新

RIETAN-FP を v2.81 にバージョンアップし、9日前に公開したばかりの RIETAN-FP・VENUS システムを早々とマイナーチェンジしました。

Gnuplot が "terminal postscript eps ....." コマンド("gnuplot 5.0 ― An Interactive Plotting Program", p. 225参照)により EPS 形式の PostScript ファイルを出力するよう変更した結果、Windows・OS X 版のいずれにおいても pdfcrop によるマージンの切り取りが不要になりました。すなわち TeX Live をインストールしていなくても、余白のない PDF ファイルが得られます。処理速度が遅い pdfcrop を実行せずに済むため、グラフが表示されるまでの時間がかなり短縮されます。

Windows 版では、32ビット版 Ghostscript、すなわち gswin32c.exe によって PostScript ファイルを PDF ファイルに変換するよう変更しました。Ghostscript パッケージに含まれる pdfcrop や pdfcrop14 などは EPS ファイルを正常に処理できないためです。

hoge.ins 中で NPRINT = 2 に設定すると "_pd_peak_intensity = ....." が2回出力され、その結果 refln マクロでトラブルが発生するというバグを解決しました。

その他、5つのマニュアルと RIETAN-FP 用入力ファイルのひな形 hoge.ins を少しずつ修正しました。



ここ何年か、RIETAN-FP の新バージョンを公開するたびに講演会や研究会でお披露目するのが恒例となっています。それらの集会までに RIETAN-FP をバージョンアップせねばならぬという状況に自らを追い込むべく、意識的にそう心がけてきました。偶然ですが、今回も RIETAN-FP v2.81 と過去一年間に開発・改善した周辺ソフトについて紹介する機会に恵まれました:

「RIETAN-FP・VENUS システム ― 最近の進歩」
日時:6月1日(水)16:30〜17:30、場所: ファインセラミックスセンター(名古屋市熱田区)

MacBook Pro による実演を交えながら熱弁を振るいます。当日までに gnuplot の pdfcairo ターミナルを使うスクリプトファイル hoge.plt を出力する RIETAN-FP v2.82 を完成させ、GUI 抜きのグラフ化エンジン gnuplot+cairo+pango 複合体の利点、すなわち高速性と高品質イメージ・フォントを最大限に活かせるようにします。また OS X 用 gnuplot が専用インストーラで使えるようになります。

部外者のご来聴も歓迎します。ご希望の方はあらかじめ担当者(小西)に参加登録のメールをお送りください。折り返し、アブストラクトを添付した受付メールをお送りします。

3. 2016年5月20日(金)RIETAN-FP・VENUS システムの微修正

5月16日以降、
  • バッチファイル Plot.bat, cif2ins.bat, cif2pdf.bat(Windows 版)
  • それらに相当するシェルスクリプト Plot.command, cif2ins.command, cif2pdf.command(OS X版)
  • RIETAN-FP のひな形ファイル BiCoO3.ins と Cu3Fe4P6.ins
に誤りが見つかったため、以下のように修正し、急遽 Windows_versions_20160520.zip とOS_X_versions_20160520.dmg を RIETAN-FP・VENUS システム配布ファイルにアップロードしました。

Plot.bat と Plot.command で裏技が正常に動作しないのを修正しました。Gnuplot スクリプトファイル hoge.plt 中で set terminal postscript eps ..... に乗り換えたのを反映させていなかったのが原因です。

cif2ins.bat, cif2pdf.bat, cif2ins.command, cif2pdf.command において cif2ins 実行形式プログラムの引数(ファイル名)が一部間違っていたのを正しました。pdfcrop を使用していた時のファイル名に留まっていた他、余分な引数が一つぶら下がっているスクリプトがありました。

RIETAN-FP v2.8 以降、不要になった質量減衰係数の入力行が多相試料のひな形ファイル BiCoO3.ins と Cu3Fe4P6.ins に残存していたことがパワーユーザーから指摘されたため、削除しました。

4. 2016年6月14日(火)RIETAN-FP v2.82 のリリース

RIETAN-FP を v2.82 にマイナーチェンジし、RIETAN-FP・VENUS システムの配付ファイル三つを更新しました。

v2.82 では gnuplot における terminal(出力先)を古典的な postscript eps から pdfcairo に変更しました。4月中旬に入手した "Gnuplot in Action", 2nd ed. が pdfcairo への移行を促してくれました。pdfcairo の採用に伴い、フォントやマークのサイズは元通りになりました。目盛がグラフの境界線に比べ約半分の線幅に固定されてしまうという postscript eps 使用時の深刻な不具合も解消しました。また pdfcairo はグラフの余白を自動的に切り取るため、TeX Live の pdfcrop や Ghostscript の gswin32c コマンドはもはや不要です。したがって、これまで Windows 版に同梱していた Ghostscript は削除しました。

pdfcairo は余白をカットした後、PostScript コードを経由せずに PDF ファイルを直接出力するため、Plot, MSCS, xdc マクロの実行時間が大幅に減りました。

pdfcairo への切換時に獲得した重要な知識と情報はすべてブログエントリー「OS X 用 gnuplot で pdfcairo ターミナルを使うための手続き」に記録しておきました。pdfcairo 活用の一助となれば幸甚です。

従来はタイトルや軸のラベルの一部が欠落しないよう一部の文字列の先頭あるいは末尾に "¥n"(改行コード)を挿入していました。このような苦し紛れの対症療法は好ましくないと判断し、gnuplot スクリプトファイル *.plt 中に "set margins <left>, <right>, <bottom>, <top>" コマンドを挿入しました。

OS X 上では gnuplot を Homebrew でなくスタンドアローンのインストーラーで Applications フォルダーにインストールするよう変更しました。この gnuplot は二次元グラフィックス・ライブラリー cairo と多言語テキスト配置・レンダリング用ライブラリー pango を包含しています。旧バージョンの Mac ユーザーはお手数ですが、上記エントリーの記述に従って gnuplot をアンインストール・再インストールするようお願いします。

5月6・15日と本日の最新情報から、gnuplot の徹底活用を目指し私がいかに精進してきたかを読み取れるでしょう。力不足のために短期間に3回も配付ファイルを更新し、拙作ソフトのユーザー様を徒に混乱させたことをお詫びします。

5. 2016年7月19日(火)RIETAN-FP・VENUS システムの微修正

RIETAN-FP・VENUS システムのマニュアル類を収めたアーカイブファイル documents.zip を更新しました。RIETAN-FP_manual.pdf 中のタイプミスを修正するとともに、数値–単位間のスペースを一文字分の空白の 3/18(LaTeX では '¥,')に統一しました。

6. 2016年8月10日(水)秀丸エディタ用設定ファイルの改訂

Windows 用 RIETAN-FP・VENUS システムをほんの少しだけ改善し、Windows_versions_20160810.zip としてアップロードしました。といっても、RIETAN-FP のバージョンは 2.82 のままです。

秀丸エディタ用設定ファイル RIETAN-FP.key と RIETAN-FP.reg を単一ファイル RIETAN_VENUS.hmereg に統合しました。「その他 > 設定内容の保存/復元」で "設定情報をファイルから復元する" のラジオボタンをチェックした後、RIETAN_VENUS.hmereg を読み込み、レジストリに設定情報を書き戻します。統合支援環境のセットアップ時間が少しだけ短縮されます。つい最近まで拡張子 .hmereg のファイルに全設定を保存できることを寡聞にして存じませんでした。詳しくは、秀丸エディタヘルプ中の「秀丸エディタにおける設定内容の保存/復元」をお読みください。Readme_macros.pdf にもその変更点を反映させ、マニュアル類のアーカイブファイル documents.zip を更新しました。

なお、mcz.bat という謎のバッチファイルを Batch_files フォルダーに忍ばせておきました。実習時の余興用なので、マニュアルには記載していません。

7. 2016年8月25日(木)RIETAN-FP・VENUS システムの配付ファイル二つを更新

最新の Windows 10 上で RIETAN-FP・VENUS システムをインストールまたはアンインストールしようとしても、コマンドプロンプト窓にフォルダー・ファイルを処理するためのコマンドがまったく表示されないという不具合が見つかりました。Install_RIETAN_VENUS.bat と Uninstall_RIETAN_VENUS.bat のダブルクリックだけでインストール・アンインストールできるようにしたのが裏目に出たようです。

そこでバッチファイルを右クリックしてから「管理者として実行」を選び、ユーザーアカウント制御 (UAC) の下でインストール・アンインストールするよう変更しました。さらに Readme_Win.pdf 中の関連する記述を修正しました。

8. 2016年11月28日(月)RIETAN-FP v2.83 のリリース

RIETAN-FP を v2.83 にバージョンアップし、RIETAN-FP・VENUS システムの配付ファイル三つを更新しました。新機能はとくになく、v2.8を熟成させただけです。OS X から macOS への改称に対応するため、Mac 用配付ファイル OS_X_versions_YYYYMMDD.dmg(YYYY: 年、MM: 月、DD: 日)は macOS_versions_YYYYMMDD に改名しました。

主な変更点は以下の通りです。
  1. hoge.ins 中の変数とラベルの名前が規則に従っていない場合は、誤りを指摘するようにした。
  2. 変数名はアルファベットの大文字、数字、"@" からなり、ラベル名は英数字と "@" からなると正式に定めた。"@" を使えるようにしたのは、近日中に作成する多相リートベルト解析用 hoge.ins 生成マクロ combins の仕様を考慮したためである。
  3. hoge.ins から一部のデータを入力中にエラーが発生した場合、エラーメッセージを出力するよう改善した。
  4. 放射光の波長が 0.413 280 7 Å より短いときは、自分でX線分散の補正項 f' と f" を入力するよう促すことにした。
  5. MEM 解析などに用いる a, b, c 軸方向の分割数(NVOXA, NVOXB, NVOXC)を第一相の格子定数 a, b, c と比較し、大小関係が不適切だったらプログラムを終了するよう改訂した。Voxel データを使わないのにエラーメッセージに煩わされるときは、すべてゼロを入力しておけばよい。
  6. 共役方向法のサイクル数を3桁まで出力するよう修正した。
  7. 多相試料の放射光粉末回折データをリートベルト法で解析する際には構成元素の質量減衰係数 (mass attenuation coefficient) を入力しないよう hoge.ins を改訂した。
  8. Nanotech CUPAL などにおける MPF 解析の実習用に使うために、ひな形ファイル Cimetidine.ins 中に水素原子の構造パラメーターを追加するとともに、選択配向は補正しないよう変更した。
  9. gnuplot スクリプトファイル中の DLW と BLW のデフォールト値を1.0に変更した。
  10. gnuplot スクリプトファイル xdc.plt 中に gnuplot 5.0.5 以降で使える命令 "set minussign"(負の値における先頭のハイフンをマイナスに置き換える命令)を注釈として挿入した。
  11. Windows 用 gnuplot でリートベルト解析・シミュレーションのパターンをプロットする際、ピーク位置を表す縦棒の中心に小さなセンターシンボル()が現れるというバグを修正した。
  12. Windows 上で lst2cif を実行した後、一時ファイル hoge.tmp が残存するという瑕疵を取り去った。これは Fortran コンパイラーに起因する障害のように見える。
  13. Windows 用の自作プログラムはすべて64ビット版に統一した。32ビット版 Windows 機へのインストールは拒絶する。
  14. Windows 用配付ファイルに同梱している gnuplot 5.0.4 を64ビット版に替えた。
今回のバージョンアップにあたり、32ビット版 Windows(時代遅れ!)は惜しげもなく切り捨てました。まだレガシー OS ではありませんが、孤立無援状態に陥っている今、余計な手間は能う限り省きたいのです。今どき32ビット CPU の PC など、ほとんど生き残っていないでしょう。必要なら、Zinstall WinWin のような引っ越しソフトを使って、64ビット Windows に入れ換えればいいだけのことです。暫定的に残している前配付ファイル Windows_versions_20160825.zip は、いずれ予告なしに削除します。
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