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HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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東工大で粉末構造解析の無料講習会を開催!
2015年10月以来、龍谷大学岡山大学神戸大学京都大学九州大学ファインセラミックスセンターで次々に「「RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析」と題する講習会を出前してきました。このたび、東京工業大学で9月24・25日に同講習会を催すことが決まりました(9月24日は振替休日)。二日間にわたる講義+ハンズオンの独演会を東京で開催するのは初めてです。首都圏在住の方々に歓迎されるに違いありません。


 「RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析」講習会  

日時: 2018 年 9 月 24 日(月)・25 日(火)

会場: 東京工業大学 大岡山キャンパス レクチャーシアター地図

共催: 科学技術人材育成費補助事業 Nanotech CUPAL



レクチャーシアター(西5号館3階)は階段座席なのでスクリーンがすこぶる見やすく、座席数が245席に達するため適度に空席を介在した状態で快適にご聴講頂けます。過去の実績を高く評価して頂き、このような素晴らしい会場を提供して下さった東工大に厚く御礼申し上げます。東工大は Nanotech CUPAL アライアンス の B 機関(研究者等派遣機関)なので、私が昨年度まで講師を務めていた Nanotech CUPAL との共催とし、遅ればせながらその「卒業式」に換えます。

なお、8月7日(火)・8日(水)にファインセラミックスセンター (JFCC) でほぼ同じ内容のアンコール講習会を開催するため、中京圏とその周辺の方にはそちらへの参加を推奨します。正式な会告が JFCC の HP に掲示され次第、私からもアナウンスします。

1) プログラム

9月24日、13:30〜17:00
講義「粉末回折データの解析技術 — リートベルト法」
講義「粉末回折データの解析技術 — パターン分解、未知構造解析、MEM」

9月25日、9:30〜12:00(昼食)13:00〜17:00
・Windows 機を用いる実習

休憩は臨機応変のタイミングで入れます。

2) 定員

120名(先着順)

3) 参加費

無料

4) 世話人

東京工業大学 理学院 化学系
河野正規教授

5) 参加登録

下記の情報を明記の上、okiyama.s.aa@m.titech.ac.jp(沖山)宛にメールをお送りください。

1. 氏名
2. 所属
3. E メールアドレス
4. 下記4つのどれかに該当する方は身分を明記
    博士課程学生
    修士課程学生
    学部学生
    任期付き研究者(ポスドク)

本講習会は粉末構造解析・三次元可視化システム RIETAN-FP・VENUS システムなどを利用した構造解析技術に関する講義と実習からなっています。実習用に64ビット Windows 機(OS: Windows 7以降)と印刷済みのチュートリアル(下記)を各自ご持参ください。事前に
をインストールしておくようお願いします。秀丸エディタはシェアウェアです。試用期間は2週間で、経済的に困窮している学生にはフリー制度があります。一方、Sumatra PDF はフリーソフトウェアです。

参加者にはインストーラーに加えチュートリアル「RIETAN-FP・VENUS システムと外部プログラムによる粉末構造解析」(70数ページ)も事前配付するため、実習内容の予習と復習は簡単です。充実したチュートリアルを提供する実習の重要性についてはブログエントリー「最新版 RIETAN-FP・VENUS システムのお披露目を兼ねた講習会」の冒頭で力説したので、ご一読ください。講義には百数十枚のスライドを使いますが、カラー印刷の経費と手間を省くため、参加者には上述の講義
  • 粉末回折データの解析技術 — リートベルト法
  • 粉末回折データの解析技術 — パターン分解、未知構造解析、MEM
に使う二つの PDF ファイルを当日までに差し上げます。さらに4種類の副読本(6つの PDF ファイル)も付録として添付します。最近執筆した「RIETAN-FP–VESTA 間の連携による三次元可視化とファイル変換」と題する文書(23ページ)は両ソフトのユーザーに歓迎されると確信しています。

実習では、UNIX コマンドの集合体 BusyBox「BusyBox に魅せられて」参照)と互換性のあるシェルスクリプトを組み込んだ新世代の RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境上で種々の秀丸マクロを実行します。BusyBox はスマホ、テレビ、オーディオ、ルーター、小型サーバーなどにおける組み込み UNIX の活用に役立っています。 JFCC での講習会に先立ち、前世代の Windows 用支援環境に含まれていた22ものバッチファイルを bash スクリプトに置き換えました。宿年の悲願だったコマンドプロンプトからの脱却と macOS 版と同レベルへの進化を果たしたのは、嬉しい限りです。

体験学習には RIETAN-FP v2.88, gnuplot, WinPLOTR, DICVOL, ORFFE, lst2cif, cif2ins, combins, sda, ALBA, superflip, EDMA, FOX, MPF_multi.command+Dysnomia, VESTA などを使います。上記のソフトウェア群は
  1. ピークサーチ
  2. 指数づけ
  3. バックグラウンドの決定
  4. リートベルト解析
  5. 多相リートベルト解析用入力ファイルの自動作成
  6. パターン分解
  7. 最大エントロピー・パターソン解析
  8. 未知構造モデルの構築: 双対空間法とレプリカ交換法
  9. MPF (MEM-based Pattern Fitting) 解析
  10. 結晶構造と電子密度分布の三次元可視化
といった広大な領域を網羅しています。リートベルト解析は one of them に過ぎません。ただし時間の都合上、一部のプログラムは臨機応変にスキップする可能性が大です。といっても、上述のように実習内容はチュートリアルに詳述しましたから、受講者は後日ゆっくり自習できます。

中でも cif2ins と未公開ユーティリティー combins の連携プレーは注目に値します。cif2ins は CIF 中の結晶データをひな形ファイル template.ins に導入することにより RIETAN-FP 用入力ファイル *.ins に変換します。一方、combins は複数の *.ins から多相解析用入力ファイル multi_phase.ins を自動生成します。multi_phase.ins を改名し、必要に応じて中身を編集してからリートベルト解析に移行します。

ストリームエディター sed を活用したシェルスクリプト sda.command による逐次リートベルト解析の自動化は、他に類を見ない独創的な技術です。もちろん文字列の置換には正規表現を使えます。代表的な UNIX ツールである sed が BusyBox に含まれているのは言うまでもありません。sda.command は温度、圧力、化学組成、雰囲気などを変化させて測定した一連の強度データの自動解析で真骨頂を発揮します。今回の実習では、sda.command を
  • BaSO4 の粉末X線回折データのリートベルト解析における選択配向ベクトルの決定
  • 室温から640 Kの間で測定した Sr3Zr2O7 の放射光粉末回折データ(9点)の逐次リートベルト解析
に応用します。

RIETAN-FP v2.88 にはリートベルト解析途上の結晶データを含む VESTA 形式ファイルを逐次生成する機能があります。非対称単位内の原子数が多い配位ネットワーク錯体やゼオライトなどのリートべルト解析において構造精密化の進捗状況と妥当性を VESTA で検証するのに役立ちます。

比較的時間のかかる計算中に、訴求効果の高いデモンストレーションとして
を実演します。両者を実習から外すのは TeX LiveMiniconda3 がかなり大きなディスクスペースを占めるためです。ただしチュートリアルを参照すれば、TeX Live と Miniconda3 は容易にインストールできます。

なお大学、研究機関、民間企業の別を問わず、同様な講習会の開催依頼は随時受け付けておりますので、遠慮なく声を掛けてください。研究室や社内を対象とする非公開の講習会でも、喜んで引き受けます。
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