お知らせ+活動記録+たわごと

HP と Twitter を補完するとともに、互いの密接な連携を図るため、本ブログを開設した。三位一体を目指す。情報提供、広報活動、教育・啓蒙活動の一環として、肩の力を抜き、冗長性を廃し、簡にして要を得た文章を書くよう心がける。
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MacTeX-2013 に対応した「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」
粉末回折情報館で公開している PDF ファイル「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」MacTeX-2013 (TeX Live 2003)に対応させる作業がようやく一段落した。これを一読すれば、MacTeX-2013を Mac にインストールし、バージョンアップに応じてアップデートし、OS X 用 TeX 文書作成支援環境 TeXShop の環境設定を行い、英文・和文の *.tex を編集・組版するのに必要な最小限の基礎知識が一挙に得られるはずだ。

もともと、上記文書は自分のための備忘録として作成し、必要に応じて手直ししてきた。人様にとってどれだけ有用かはよくわからないが、一部だけでも参考になればよいと考え、公開している。お役に立てば幸いである。

多くの方々の献身的活動を通じて TeX Live が頻繁に更新され続けているのには、ただただ頭が下がるばかりだ。これほど大規模なプログラム群が無償で入手できるのだから、不安定、鈍重、高価な Microsoft Word を使う機会は極力減らすよう心がけていきたい。

拙作ソフトのドキュメンテーションでは、もっぱら UTF-8エンコーディングで記録した *.tex を TeX Live 2013 + TeXShop で組版している。7年半前に購入した iMac でも多数の数式と文献を含む長大な RIETAN-FP のマニュアルがスイスイ組版できるほど軽い上、すこぶる安定である。
粉末回折データを用いる未知構造解析のための代表的プログラム
粉末X線回折データから未知構造を解析する方法は逆空間法(直接法)、実空間法(直接空間法)、逆空間と実空間を行き来するデュアルスペース法(チャージフリッピング)に大別される。ありがたいことに、それぞれ秀逸なソフトウェア


が(アカデミックユーザーには)無償で配付されており、これらの利用を通じて比較的容易に未知構造のモデル(空間群、おおよその格子定数と原子座標)を構築できる。

EXPO は最新バージョン EXPO2013が一昨日、公開されたばかりだ。EXPO2013には

  • The covariance principle based completion method (COVMAP) for structure model optimization
  • The RAndom Model based Method (RAMM)
  • The Hybrid Big Bang-Big Crunch approach for structure solution in reciprocal and direct space, respectively

などの強力な新アルゴリズムが実装された。特筆すべきなのは OS X バージョンが X11.app 抜きで動くようになったことだ。まだ動作が少々不安定なようだが、いずれ枯れてくるだろう。

OS X 用 EXPO2013で Le Bail 法により硫酸バリウムの粉末X線回折データを解析した後のウィンドウを下に示す:


EXPO は指数づけ、Le Bail 法、空間群推定、リートベルト法なども包含した統合粉末構造解析システムである。ただし EXPO を用いた Le Bail 解析やリートベルト解析において達成できるフィットは完璧からは程遠いため、最終的には RIETAN-FP などの本格的なプログラムを使うことを推奨する。EXPO 開発の中心的存在である Giacovazzo 先生が結晶解析ソフトウェアの営利化を嫌っておられるという逸話は、以前ツイッター(4月16日)でつぶやいた。

モンテカルロ法プログラム FOX については、岡山大の神崎正美先生が PukiWiki で種々のノウハウを微に入り細にわたり披瀝しておられる。FOX は指数づけ、空間群推定、Le Bail 解析の機能をもつ一方、リートベルト解析はできない。神崎先生は FOX と RIETAN-FP(リートベルト解析)の組み合わせによりいくつかの高圧相の構造を実際に解析された。

最新版 Superflip のタイムスタンプは2013年4月17日となっている。Superflip はチャージフリッピング専用プログラムであり、積分強度抽出機能を欠いているため、Le Bail/Pawley 解析の機能をもつ外部プログラムとの連携が必要不可欠だ。

RIETAN-FP がハイブリッド・パターン分解後に出力したファイル *.ffo に記録されている |Fo| を EXPO と Superflip で処理する方法については、RIETAN-FP_manual.pdf に付属する文書「多目的パターンフィッティング・システム RIETAN-FP の新機能について」の16.4で言及した。

むき出しのチャージフリッピング・エンジンに近い Superflip はさておき、GUI を備えた未知構造解析システム EXPO2013と FOX が無償で使えるのは願ってもないことだ。

神崎先生の PukiWiki の記述からも窺えるように、三つの方法論はそれぞれ得手、不得手があり、けっして万能でない。商用ソフトの方が優れているという訳でもない。商用ソフトを大枚叩いて買ってほぞを噛むよりは、単結晶X線解析における複数の直接法プログラムの併用と同様に、上記の著名プログラムをケースバイケースで使い分ける方が賢明だ。もっとも、ベンダーの技術者の人件費が価格に含まれていて、解析をみっちり指導してくれるというのなら、その限りでない。研究資金に事欠かないのであれば「時間を金で買う」のが一番手っ取り早いのは、どんな研究手段にも共通する真実なのだから。
TeXstudio による LaTeX 文書の最終検査
Microsoft Word の使用を強制されでもしない限り、数ページ以上の文書は日本語、英語を問わず LaTeX で書くことが多い。図表、数式、文献を含む長い文書を Word で作成するのはトラブルとストレスの元ということを知悉している。鈍重かつ不安定な Word は業務用アプリケーションを名乗れるレベルに達していない。所詮は一般大衆向きのできそこないソフトだ。

昨日 LaTeX 統合環境 TeXstudio v2.5の OS X バージョンを試用してみたが、早くもその恩恵を被った。従来愛用してきた TeXShop は無愛想なアプリケーションで、英語文書中に全角文字が紛れ込んでいても、単に無視するだけで、なんのメッセージも出さない。一方、TeXstudio は
Missing character: There is no ï in font cmr10!
Missing character: There is no ½ in font cmr10!
Missing character: There is no in font cmr10!
というような警告を発してくれる。このサービス精神には感心する。全角文字のありかは秀丸エディタで正規表現 [^¥x01-¥x7E] を検索すれば、容易に突き止められる。

日本語文書も正常にタイプセットできるし、OTF パッケージも使える。しかし、仮名漢字変換が終わるまでは文字が現れず、なおかつ修正した文書を正常に保存できないことがあるのは致命傷だ。これらの深刻なトラブルが解消するまでは、TeXstudioでゼロから日本語文書を作成しない方がよい。

Fortran や C++ のプログラムの場合も、同じソースコードを複数のコンパイラーでビルドすると、見逃しやすい間違いをしばしば検出できる。今後も TeXShop を使い続けるのに変わりはないが、TeXstudio を *.tex の最終チェック限定で活用していくことにしたい。
Windows 用 bash を使用するためのノウハウ
8月26日に記したように、Gow の bash v2.03の活用を前提として、自動 MPF 解析スクリプト MPF_multi.command を OS X から Windows に移植した。そのとき会得した主要ノウハウをメモ代わりにまとめてみた。
  1. Gow を C:¥Program Files¥Gow¥bin にインストールすると、そのフォルダが自動的にパス指定され、130の UNIX 互換コマンドが使えるようになる。インストール時には C:¥Program Files (x86)¥Gow¥bin がデフォールトの行き先として表示されることが多いので、十分注意すること。
  2. bash.exe をダブルクリックして bash.exe のウィンドウを開いた後、左上のアイコンを右クリックしてプロパティを選ぶと、ウィンドウのプロパティを変更できる。
  3. Gow の cp.exe はフォルダ名(行き先)の最後の文字が "/" だと正常に動かないので、"/" を削除しなければならない。
  4. C:¥tmp というフォルダが存在しないと、MPF_multi.command の実行直後に /tmp がないと文句を言われる。
  5. フォルダやファイルの名前は '¥' でなく '/' で区切る(UNIX 流)。
  6. 絶対パスの先頭は 'C:/' とし、フォルダ名がスペースを含む場合は二重引用符 " ... " で囲む。
  7. 特殊文字は '¥' でエスケープする(日本語 Windows 流)。
  8. 絶対パスを変数に代入するときは、ドライブ名 'C' の後ろの ':' をエスケープする必要がある。
  9. for i in {1..10} と for i in `seq 1 10` というループはいずれも使えないので、垢抜けないが for i in 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 とする。
  10. GNU UNIX 互換コマンドでは more の代わりに less を使う。
  11. たとえ日本語の注釈を含む可能性がある *.ins であっても、半角英数字の部分は Gow の sed で処理できる。
  12. 自作ユーティリティー seconds.exe の標準出力における最後の文字が CR/LF となってしまうため、tr コマンドで取り除かなければならない。
MacTeX-2012 対応の「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」
MacTeX-2012のリリースを受け、粉末回折情報館で公開している PDF 文書「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」を MacTeX-2012に対応させた。日本語・英語用の設定を頻繁に切り換える人にとって有用な情報として役立つことを確信している。

MacTeX-2012をインストールした後、TeXShop の初期設定を済ますと、ただちに日本語文書を扱える。また mediabb.sty と BibTeX の互換性に関するトラブルが解消したことを知り、感涙にむせんだ。PDF のグラフィックファイルだけ貼り込むならば、Drag & Drop UpTeX や Ghostscript はもはや不要で、本当にすっきりした。
「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」を更新
粉末回折情報館で公開している PDF ファイル「Mac 用 TeX による英文・和文のタイプセット」を少々訂正した。

この文書は英語と日本語の LaTeX 文書をいずれも書くことがあり、英語・日本語モードを手軽に切り換えたい TeXShop ユーザーにとって、非常に有用なはずだ。自分用のメモを補筆し文書化したものに過ぎないが、今後も Mac 用 TeX 関連ソフトのアップグレードに応じて改訂していく。MacTeX 2012がリリースされたら、ただちに書き直さねばならない。

この文書を LaTeX でなく Pages で書いたのは、Pages の使い勝手とパフォーマンスを調べるためだった。その結果わかったのは、Pages が中途半端で非実用的なソフトだということだ。製品レベルの低さに幻滅した。とくに気に入らないのが、段落スタイルを指定できず、英数字と仮名漢字の間のスペースを逐一マニュアルで調節しなければならないことで、プロフェッショナルな道具からは程遠い。今後の機能増強は望むべくもないので、その後 Pages を使うのは止めてしまった。
ムラ社会の掟
拙作ソフト(RIETAN-FP、周辺プログラム、VESTA を含む VENUS システム、RIETAN-FP・VENUS 統合支援環境)と詳細なマニュアルをネットで配付し、単行本の執筆や講習会など普及活動にも取り組み、積極的な利用を呼びかけている。それらの無償ソフトの人気が上々で、種々の研究・開発・教育に貢献しているのは誰の目にも明らかだろう。血と汗と涙の結晶が世に出て活躍するのは喜ばしい限りだ。しかし、己の責務でもないのに過剰サービスを提供していると感じ、時には空しさがこみ上げてくる。太っ腹にも程があるのではなかろうか。

SPring-8と J-PARC の粉末回折装置グループがネットで有用なソフトを全世界に向け無償でネット公開しているか、プログラム中で使用している主要な数式などを網羅した懇切丁寧な英文マニュアルや解説文書を提供しているか、解析のノウハウやテクニックを出し惜しみせず公開しているかというと、決してそんなことはない。むしろ、粉末回折装置グループを仕切っているお山の大将が妙ちきりんな制約を設け、装置グループで使っているローカルなソフトの拡散を防ぎ、ソフトの詳細やノウハウは企業秘密として隠匿し、装置のユーザーを囲い込み、そこから利益を吸い上げているように見える。カリスマ性やオーラなど微塵もない、器の小さいボスに、腰巾着や手下はただただ付和雷同しているだけ。論文のネタになる試料が持ち込まれるのをひたすら待ち、装置の維持・管理で生計を立てている一点豪華主義者の姑息なサバイバル作戦といったところか。

「PRIMA vs. ENIGMA」 にも記したように、MEM 解析プログラム ENIGMA は人気と実績において PRIMA の後塵を拝している。その理由の一つとして、PRIMA は誰でも自由にダウンロードでき、ドキュメンテーションが充実していることが挙げられる。一方、ENIGMA はネットでは公開されていない。上記の囲い込み戦略に加え、MEM 解析前後の総電子数が変わるという MEED の致命的なバグで痛い目にあい、しかも MEED での解析結果を報告した数年間の論文で総電子数が真値から逸脱していたという事実を公表せず、ひた隠しに隠しているというスキャンダラスな事実が白日の下にさらされたこと(「ネガティブな情報の発信」参照)がトラウマとなっているらしい。なお、ENIGMA で MEM 解析を行うと、出力の最後にプログラムの受領者の名前が常に出力され、それによってソフトの拡散を防いでいると聞いている。この想像を絶するほどセコい「目玉機能」には、ただただ呆れ果てるばかりだ。

J-PARC で開発している Z-code も所詮は日本の中性子ムラでしか通用しないパッケージソフトだ。Z-Rietveld (Z-code のコンポーネント) の講習会では、実際に TOF 粉末中性子回折装置でデータを測定した人以外の参加者からは、実習に使ったソフトを回収していると聞く。噴飯物だ。醜態をさらしているといって過言でない。拡散を防ぎたくなるほど安定性や性能が低いソフトでお茶を濁しているのだとしたら、講習会の開催は参加者に失礼だろう。そんな出し渋りを押し通していたら、Z-Rietveld にあらかじめ習熟しておくのは無理だし、不具合のフィードバックもままならない。いったい何を目的とする、誰のための講習会なのか。

Z-Rietveld はパターンのフィットが今一なだけでなく、(とくに、圧倒的に利用希望者が多いはずの Windows 版が)極端に遅いという話も複数のソースから耳に入っている。定番ソフトを用いたリートベルト解析の経験者には耐えがたいほど低速なようだ。対称性が低く、非対称単位内の原子が多い物質で、格子面間隔(d) が 0.5 Å程度までの回折データを解析しようものなら、とてつもなく時間がかかるだろう。もちろん多相試料ではなおさら遅くなる。

ドキュメンテーションについては、Z-Rietveld は RIETAN-FP の足下にも及ばないようだ。国際的に開かれているべき施設なのだから、プログラム内で用いている主要な数式を網羅した詳細な英文マニュアルくらいは提供して然るべきだが、そういう話は寡聞にして聞かない。当事者でさえ、学術的価値があり、世界に通用する最先端ソフトとはみなしていないのだろう。なお、結晶解析ソフトのマニュアルはどうしても数式と文献が多くなるので、老婆心ながら、鈍重なおバカソフト(Microsoft Word)などでなく LaTeX で書くようお勧めする。ご所望なら、RIETAN-FP のマニュアルのソースコード *.tex を再利用のために寄贈してもよい。


上図に例示するように、しばしば粉末中性子回折を用いる研究の対象となる固体酸化物型燃料電池、リチウムイオン電池、水素吸蔵合金、巨大磁気抵抗を示す物質などの材料には第一遷移元素(Mn, Fe, Co, Ni など)を含む物質が多い。それにも関わらず、Z-Rietveld がごく単純なコリニア磁気構造すら解析できないという非実用的な超底辺仕様でお茶を濁しているのも情けない限り。たとえば核散乱反射と磁気反射が完全に重なり合う強磁性体だったら、お手上だ。磁気構造解析を FullProf や GSAS に丸投げするのは手抜き以外の何物でもない。複数のリートベルト解析プログラムを習得する時間、能力、語学力、気力を持ち合わせているユーザーがどれだけいると思っているのだろうか。TOF 粉末中性子回折データの解析は、Z-Rietveld より圧倒的に機能が充実しており、計算速度がはるかに速く、十分枯れている上、ドキュメンテーションも充実しており、しかもネットで最新版を入手できる FullProf か GSAS 一本に絞る方が、どう見ても合理的だ。錬金術(Alchemy)を使えば、マルチバンクで測定した TOF 粉末中性子回折データの MEM 解析も可能となる。後出しにもかかわらず独創的技術が皆無に等しい手抜きソフト Z-Rietveld の存在意義はどこにも見出せない。

要するに、血税で運営されている放射光や中性子の施設でさえ、解析ソフトやその使用法に関するサポートや情報提供は劣悪なままに留まっているのだ。時々その場限りの講演会や講習会を開いて体裁を取り繕っているだけ。短時間の講演や講義をいくら聞いたところで、実戦に役立つ知識やノウハウが身につくはずはなかろう。

要するに、大型施設はデータさえ測定できればいいじゃねぇかという、サービス精神の欠如した姿勢に徹しているのだ。そういう施設とは無縁の存在である自分が、どうしてそれらの施設のユーザーに無償でサービスしなければならないのか ―― 首を傾げざるを得ない。一度、SPring-8のエラい人にそういう疑問をぶつけてみたことがあるが、言葉を濁すばかりで、答えらしい答えは返って来なかった。

閉塞感に満ちた放射光ムラや中性子ムラの原住民根性丸出しのローカル指向を打破するにはどうしたらいいのか。ムラ社会(タコツボ)という閉鎖的利益共同体の改革は不可能に近い。福島第一原発のメルトダウンと水素爆発で醜態を晒し、木っ端微塵に砕け散るかに見えた原子力ムラでさえ、未だにしぶとく生き残っているのだから。私はここ十年ほど丘の上からムラを見下ろし観察しているだけで、ムラ社会の排他的な風習や文化には染まっておらず、ムラ八分に怯える立場にも立っていない。ムラのステークフォルダー(利害関係者)でない以上、ムラに融け込んで晩節を汚す気もさらさらない。「あっしには関わりねえことでござんす」と傍観しているに限る。ムラ人はムラ人、自分は自分、我が道を行くだけだ。もちろん、拙作ソフトの改善とメンテナンスは、限りある身の力が尽きるまで続行する。
Mac 用 Twitter クライアントソフトの変更
これまでもっぱら Echofon Lite を使ってきたが、倦怠感が強まり、浮気心が湧いてきた。昨日初公開されたばかりの Mac 版 Janetter v3.0.0をインストールし、目下試用中。

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